第78話 忘れ物を取りに‥‥‥
「さて、今日は出かけてくるよ。この家から出るなよ」
「わかってる〜。でももうすぐ暗くなるし気をつけてね、アウルム」
シルヴィアを安全な所に連れて来られたので忘れ物を取りに行くとしよう。
いざタイタン王国のカリュプス侯爵邸へ。
飛ぶスピードが上がっているので一時間程度で着くだろう。すっかり日が沈んでいる事だろうな。
さてと、いきなり侯爵邸に行って返してくれと言っても返してはくれないだろう。
こっそり盗むか、堂々と奪うか‥‥‥。
もともとは俺の作ったものだからな、盗むというのも違う気がする。
よし、書き置きだけして奪って帰るか。
『カリュプス侯爵閣下へ
忘れ物は回収させていただきました。
我々の事を忘れてくれたら今回の事は
水に流して差し上げます。
エルフの夫より』
まぁ、分かりやすくて良いだろう。
これを普通に紙に書いたのでは面白くないからな。意趣返しがしたいところだ。
何かないだろうか?
!!!! ちょうどいいな、アレにしよう。
ーーーーーーーーーーーー
侯爵邸の上空から侵入。屋上にいる兵士に鉄球をぶつけて気絶させる。兵士の兜を拝借して針金に変え、手足を縛る。
この兵士に変装すれば‥‥‥とも思ったが、あまりに服が臭かったのでやめた。
ぶつけた鉄球を仮面舞踏会につけて行くみたいな蝶の様な仮面に変えてみた。服も一応ちゃんとした服だし、マント付けて仮面もあったらまるでタキシー◯仮面様だな。色は黒くないけどな。
遊んでないで行こう。
屋上から階段で降りて、いつもの様に金属粒子を散布する。
ミスリルマントは‥‥‥?
うーん、反応が‥‥‥、あった。
侯爵の部屋だ。この階だ、急ごう。
幸い誰にも見つからずに部屋の前に着いた。
もちろん厳重に鍵が掛けてある。まぁ、俺には関係ないんだけどな。
ガチャッ!! ガチャッ!!
探ってみると‥‥‥、あった。
ご丁寧に木のケースに入っていた。なかなか良さげだ。
うん、せっかくなのでケースごともらって帰ろう。
用は済んだ。書き置きをしてさっさと帰ろう。
侯爵の部屋の窓を開けてそこから飛び立つ。
念のためルーとマリを護衛で持ってきたけど、必要なかったかな?
カリュプス侯爵邸の庭に侯爵自身の銅像が飾ってあった。なんだかどっかで見た事がある様な‥‥‥? あ、北海道の「大志を抱け」の人みたいなポーズだからか。
本人よりカッコ良すぎるだろ?
髪の毛多いし‥‥‥、実際はそんなに無いじゃんか。
ポーズ変えてやろ、スキルで。
土下座したまま何か物を差し出してる格好にしてやれ。
差し出してるものを書き置きにすれば良いか。
少し銅が足りないから‥‥‥多すぎる髪の毛の分を減らしてやれ。おっ! リアルになった。
その分を板状にして持たせてそこに先程のメッセージを刻印してやった。
よし、帰ろっと。
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