第74話 廃坑巡り
「まずここはどうだ? 問題ないだろ?」
「ええ、ありがとうございます」
鉱山の廃土や廃水には金属が含まれているという。それを金属として抽出し有効活用しようというのが今回の目的だ。
「どうせ使い途のないものだしな。もらっていって構わんよ。廃水の方なんかは金属として抽出してくれるなら大助かりだよ」
日本でも昔銅山の廃水をそのまま流して下流域に公害を引き起こしたりあったはず。それで考えれば俺の方法はウィンウィンの関係になるだろう。
手を翳して金属ごとに集合させる。
おぉ! いろいろ集まるなぁ。
鉄、銅、ニッケル、カドミウム、鉛、錫、チタン。金や銀も少しだけどあった。ミスリルもわずかだけど手に入った。
もちろんストレージに収納する。
なかなかの成果だ! なんせ無料だからな。
「‥‥‥やはりおめえさんのスキルは規格外だの」
「でしょう? 何もないところから金属をこれだけ創り出すんだから」
別に創造してるわけじゃないぞ。もともと含まれてる金属を集めてるだけだ。
「さぁ、コパーさん。次に行きましょう!」
「おう、まだまだあるぞ!」
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移動を繰り返す事約一ヶ月。
かき集めた金属は相当な量になった。
金と銀はお礼としてコパーさんに半分あげた。
じゃあ、次は家造りだな。
場所は少し悩んでる。
人里離れた山奥かな‥‥‥?
食料調達は月一回街に俺だけ来れば良いかな? ストレージに収納出来るし。
コパーさんに聞いたところ、アドベントの街から10kmくらい東に行ったところに綺麗な泉があるのでそこはどうかと言われた。
そこを下見してくるか。
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コパーさんに教わった泉は綺麗だった。ここなら住んでも良いだろう。コパーさん曰く誰の領地でもない未開拓地らしく、開拓の予定も無いそうだ。さすがは国を股にかける山師だな。
「その辺の木が何本か邪魔かな? マリ、頼んだ」
「あいよぅ!」
スコーン!!!!
と、一撃で木を倒した。さすがは斧の化身だ。
枝葉はカレンが綺麗にしてくれて、寸法通りにルーが切り出してくれた。シルヴィアが魔法で木材を乾燥させれば綺麗な木材の完成だ。
ストレージに全て収納。
アドベントに戻ってコパーさんに紹介された大工さんに家の上物を建ててもらおう。
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