第68話 スパイ アウルム
「諜報活動‥‥‥ですか?」
「この所ユピテル教の活動が攻撃的になってきててな。軍や王宮などにも不穏な空気が蔓延しておるのだよ」
確かにそんな感じはしていたなぁ。街の雰囲気からしても。スパイか、映画とかでは好きだったけどな。
「王陛下も最近ではユピテル教に御執心でな。私はもしかしたら立場を追われるかもしれん」
「えぇ? という事は‥‥‥」
「このままでは獣人たちの護衛隊は解散させられるだろうな。それ以外のドワーフもエルフも将来的には迫害されるかもしれん。そんなことになったら人間とそれ以外の種族の戦争になる!! それだけは避けねばならんのだ」
「確かにそうですね。私は具体的には何をすれば‥‥‥?」
「ユピテル教の悪事を暴いて欲しいのだ。奴らが急激に勢力を増したのは何かの後ろ暗い理由があるはずだ。それを調べて欲しい」
「わかりました。しかし私に出来ますでしょうか?」
「共に潜入捜査している者が既にいる。それに指示を仰いでくれ」
ーーーーーーーーーーーー
指定された酒場に来た。マスターが話しかけてきた。
「こんな店に何用だ?」
「『タイタンに会いたい』」
「‥‥‥‥‥‥案内する。こっちだ」
合言葉を言うと奥に案内された。
案内された部屋には男女二人がいた。
「アンタが『シリウス』かい? あたしは『ベガ』、こっちが‥‥‥」
「『アルタイル』だ。よろしく頼む」
「じゃあ早速話をしよう。あたし達二人は既に潜入捜査している。で、宰相の屋敷の一角でどうしても開かない扉があるんだ。そこをアンタに開けて欲しいって訳よ」
「腕のいい鍵師だと聞いている」
俺のスキルは詳細には伝わっていないらしい。
それはそれで好都合だ。
「わかった。金属製の鍵なら問題ない」
「今度宰相の屋敷で宴が開かれる。その日に行動開始だ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます