第66話 アリスのギルド登録

「冒険者ギルドにようこそ! ってアリス様!? (ガタガタン!!)な、何故こんなところに‥‥‥!?」

 受付嬢は驚いて椅子を倒してしまったようだ。


「やぁねえ。冒険者になる為に決まってるじゃない。さぁ、早く試験をしてちょうだい!」

「か‥‥‥、かしこまりました。ギルマス〜!!」

 奥に走って行ってしまった。




「これはアリス様、ご機嫌麗しく‥‥‥」

「アナタがギルマス? そういう畏まった挨拶は要らないわ。早く試験を受けさせて!」


「‥‥‥わかりました。少々お待ちください」


「ねぇ、アウルム。私受かるかな?」

「まぁ、受かるでしょう。私が駆け出しの頃とは比べものになりませんからね」


「ふふーん」

 アリス様は自慢気だ、まぁこういう所はまだまだ子供っぽい。



「お待たせしました、アリス様。こちらにどうぞ」

「はぁ〜い」


ーーーーーーーーーーーー


 結果から言えば、アリス様は合格した。

 それはそうだろう。


「アウルム、お待たせしたわね。無事合格したわ! しかも飛び級合格よ!」

「おぉ、それは! おめでとうございます!」


「あとでアウルムにお願いがあるの。いいかしら?」

「私で出来る事でしたら何なりと‥‥‥」


 無事合格出来たからブラス様に報告しなきゃな。お願いってのは何かのおねだりかもしれない。


ーーーーーーーーーーーー


「お父様! 無事合格しましたわ! しかも飛び級でEランクからのスタートですわ」

「おぉ、おめでとう。お祝いしなきゃな」



「その前に‥‥‥、アウルム! お願い、本気のアナタと戦ってみたいの!」

「ファッ!!?」


 あまりの言葉に変な声が出た。


「な‥‥‥、なぜ‥‥‥?」

「アウルムってずっと私の護衛なのに強いところ見た事無かったから。お父様には言われていたけど本当に強いのかなぁって?」


 腹を括るか‥‥‥、仕方ないな。

「‥‥‥‥‥‥わかりました。ブラス様、お庭へ。アリス様は本気の装備をしてきて下さいますか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る