第45話 発明(前世のパクリとも言う)
倉庫を開けると色々置いてあった。前世の頃からこういうのは好きだ。宝探しみたい。
何に使うのかよくわからないものばかり。の中に布のような物があった。触ってみると植物のような‥‥‥。気になって引っ張り出してみた。
「クロム兄さん、これってなんですか?」
「んあ? あー、それはキャロの樹皮だ。この辺でたくさん生えててな、服を作ったりもするんだ。どうした?」
「少しもらっても良いですか?」
「構わんが‥‥‥何か作るのか?」
「成功したらあげますよ」
「おう、頑張れよ」
よし、じゃあやってみるか。
鉄粉はスキルで簡単だ、炭もおろし金みたいので簡単に作れた。これを混ぜて水と塩を少し足す。キャロの樹皮で包んだら出来た。
「クロム兄さん、これどうですか?」
「ん? なんだ、こりゃ? あったけぇな」
「でしょう? 寒いところで使えるかと思って‥‥‥」
ガタン!!
「おい、アウルム! 今なんて言った?」
クロム兄さんが急に立ち上がる。
「アウルム、これどうやって作ったんだ?」
「鉄の粉と炭の粉、あとは少しの水と塩です」
「鉄の粉と塩水じゃ錆びるじゃねぇか?」
「そう、その錆びる時に熱が出るんです」
魔法のあるこの世界でも化学反応は起きる。鉄は普通に錆びるし、イケると思った。
「あちっ!! あったかいを通り越して熱いぞ、これ」
「あぁ、まだまだ改良が必要ですね」
「アウルム‥‥‥、コレ誰かに見せたか?」
「いえ、さっき作ったばかりなので‥‥‥」
「これは改良したら売れるぞ! 俺と一緒に開発しないか?」
売れる? こんな懐炉もどきが?
「ねぇ、アウルム? ちょっと‥‥‥」
「どうした? シルヴィア」
「ごにょごにょ(大丈夫なの? スキル使って‥‥‥)」
「ごにょごにょ(いや、スキルは使って無いぞ)」
「そうなの? こんな魔道具みたいな‥‥‥」
「いや、魔力も使って無いよ」
「えぇ!? じゃあなんなのよ、これは!?」
「えっと、鉄が錆びる時に出る熱を利用したもの‥‥‥?」
「売れるわね‥‥‥、クロムさん! 詳しい話をしましょ!!」
「売れるよな! よし、こっちで話し合おう」
二人が興奮して話し合いをしている、俺は商売の話は苦手だ。
俺に行商人は無理だったな、冒険者で正解だったわ。
「‥‥‥これが‥‥‥どれくらい」
「‥‥‥価格は‥‥‥やはり‥‥‥」
外は吹雪が止まないなぁ。
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