第11話 初依頼
という訳で、イーリエさんの勧めでソロ活動になった。スズとディーンからは強く仲間に誘われたり、受付のお姉さんに反対されたりしたが「イーリエさんのアドバイスだから」というとみんな引き下がった。
どんだけ影響力があるんだ‥‥‥イーリエさん。
今回は薬草採取。イーリエさんが選んできた。例えモンスターが出ても小動物系だろう。
イーリエさんの本の通り、森で薬草を集めて『ストレージ』に入れる。荷物の負担が無いだけでもすごくラクだ。
帰ろうとしたところで、モンスターが一匹。
ゴブリンだ。一匹見つけたら三十匹はいると思え、とあの本に書いてあった。ゴブリンがボロボロのゴブリンソードで攻撃してきた。
周囲に人はいない。よし!
ゴブリンソードをスキルで奪い取った。コイツはまだ気付いていない。剣を持ってるつもりで振ってきた。
当然俺はノーダメージ。何も当たって無いからな。ゴブリンは今ようやく剣を持ってないことに気付いたようだが、もう遅い。頭から剣が降ってきて、脳天を直撃した。
絶命したゴブリンの死体はキラキラ光って天に召されていくようだ。この世界のモンスターはこういう扱いなんだ。後には小さい魔石が残る。コレがゴブリンの魔石なのかな? ラノベとかでよく有った設定だ。
簡易地図でこの辺の地形を確認して戻る。この後もゴブリンが何匹か出て来たが問題なく処理出来た。いずれも向こうから攻撃してきたから返り討ちにしてやった。
町に戻ってきた。門が閉まる直前だったようだ。門をくぐってすぐイーリエさんがいた。
「うおおお、アウルム!! よくぞ無事に戻って来た!!!!」
イーリエさんからのハグ。大粒の涙付き。
ぐはぁ‥‥‥く、苦しい。
「イーリエ‥‥‥さん、大袈裟です‥‥‥」
「おお、すまない! でも良かった!」
冒険者の新人は昔はかなりの数が初日で戻ってこないケースが多かったらしい。
「俺のアドバイスのせいで一人で行かせる事になったと思い直してな。本当にすまなかった」
「いえ、無事でしたから‥‥‥イーリエさんの本のお陰で薬草もたくさん採ってこられました。ありがとうございました」
「うおおお!! アウルム!! 良かった! 本当に無事で良かった!!」
身体だけでなく声がデカいから目立つ‥‥‥。
恥ずかしいけど、内心嬉しくなった。
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