第38話

「随分時間がかかってたな。混んでたか?」

「少し知り合いに会って話し込んじまったんだよ。悪いな」

「なに、俺とお前の仲ではないか」

綾人は既に昼食を確保して俺を待っていてくれた。


「それで、誰と話し込んでいたんだ?冬音嬢か?」

「・・・・・なんで分かる」

「目撃者は常にいるんだよ。特に自動販売機の近くなんて場所ではな。それで?深刻そうな顔をしていたらしいが告白でもされたか?」

「お前の情報の出どころが気になる所だが、とりあえず告白とかそういうのはない」


カミングアウト告白という意味では間違ってないが。


「ちょっとな、昔会ったことがあったけど、俺が覚えてなくて会話が噛み合わなかったりしてな」

「ほう、そんなことがあったのか」

「俺も覚えてなかったけど、冬音は覚えていて、確かに俺らしい。言われてみればそんなこともあったようなって感じだ」

「それで深刻そうな顔につながるのか」



そんな会話を山咲が聞いていた。

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幼い魔法 黄野ポピー @popy88

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