第98話 旅行に行こうと打ち明けられました
前書き
しまった!フォーティを入れるの忘れてた!
という事で、フォーティの順位を追記しました。
申し訳ありません。
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「と、言うわけで無人島に行きます。」
「い、いや、どういう訳?」
美嘉の言葉がまったく理解できない。
なんで無人島?
しかし、わかってないのは僕だけでした。
みんなは何事も無かったかのように普通にしている。
「ちょ、ちょっと待って?いや、旅行は別に良いんだけど、なんで無人島?」
「ん?ああ、それ?簡単な理由よ?人目を気にしなくていいから。」
「・・・?」
いや、やっぱりわからない。
なんで人目?
僕がそんな顔をしていたからか、美嘉はやれやれといったジェスチャーをする。
・・・ちょっとイラって来たけど、ちゃんと聞こう。
「ふ〜・・・やれやれ、勇者ともあろうものが・・・はぁぁぁぁぁ・・・」
くっ!?
なんでそんな馬鹿にした表情を!?
「あのねシュン?あたし達、可愛い?」
「へ・・・?そ、そりゃ可愛いと思うよ?」
だけど、続く美嘉の言葉で小首をかしげる。
何が言いたいんだろ?
すると、美嘉仕方がない人を見るような目で僕を見た後、少し悲しそうな顔をした。
「あのねシュン・・・あたし達は可愛いでしょ?だから、折角の旅行なのに、絡んでくる奴らがいると思わない?」
・・・それはそうかもしれない。
実際、何度もあったし。
「それに、美咲も美玖も有名人よね?」
・・・そうだ。
種類は違えど、二人は有名だ。
そうか!
「・・・二人のためにって事?」
僕がそう言うと、美嘉はとても綺麗な笑みを見せた。
「そう!そうなの!あたし達が目を惹いて、そんなあたし達の中に有名人がいる、どう?面倒な事になりそうじゃない?」
やっぱり!
なるほど・・・それはその通りだと思う。
凄いや・・・そこまで考えてたんだね・・・僕には思いつかなかったや。
「・・・凄いね。そこまで考えてたのか。みんなもそう?」
僕の言葉に、みんなは頷いている。
・・・あれ?美玖ちゃんは驚いているように見えるし、ラピスとクォンほぇ〜って顔してるけど・・・
「とにかく!」
いきなり美嘉が大きな声を出したからビクッとしちゃった。
何いきなり?
「そういうわけで、みんなでのんびりしようかなってさ。幸い、無人島については、美咲がこの時期でも温かい場所を探してくれたから、あたしとジェミニとフォーティで現地に行って転移できるようにしてあるわ。それに拠点なんかもしっかりと手を尽くしてあるよ?」
・・・流石は美嘉だ。
伊達に一国を治めてたわけじゃないって事かな。
みんなの為に、すでにそこまで動いてたなんて・・・
「・・・わかったよ。みんなの為にそこまでやっておいてくれてありがとう!美嘉、ジェミニ、フォーティ、それに美咲達も。」
感謝しないとな・・・
「いいえ、どうって事無いわ。ねぇ?」
「ええ、どうって事無いわね。」
「はい、まったくです。皆さんの為ですから。」
「・・・まぁ、な。」
美嘉も、ジェミニも、美咲も笑顔だ。
フォーティはちょっと複雑そうな顔してるけど、大変だったのかな?
・・・うん。
僕も、みんなの為に頑張らなきゃ!
「ボソッ(そうね。頑張って貰わないと、ね。)」
「ボソッ(こら!ジェミニ!)」
ん?
なんか美嘉とジェミニがぼそぼそ言ってた?
・・・気のせいかな。
二人を見ても笑顔でこっちを見てるだけだし。
よし!
そうと決まったら、僕も出来る限りの事をしよう!
あ、そうだ!
「何日から行くの?」
「そうね・・・冬休み開始翌日の21日から5日泊まって、26日に帰ってくる予定だね。その間に美咲と美玖、それと翠さんと美玲は、仕事がある時は転移で戻るって感じ。」
「そっか・・・なら、僕はそこにはアルバイト入れるのやめとくよ。男手もいるだろうしさ。」
「・・・はい、いりますね。シュン様は。」
「ああ、いるな。シュンは。」
「というかシューくんは絶対必要だし。」
「そうねぇ。シュンちゃんはメインだし。」
うん?
何かリリィとラピス、それとクォンと翠叔母さんが僕に凄く期待をしてるみたいだ、いや、全員かな?
すっごく頷いてるし。
よ〜し!
なら、勇者として頑張っちゃうぞ〜!!
「・・・うふ♡頑張ってね?私達の勇者様♡」
ジェミニが何故かねっとりとした視線を送ってくるのはなんだろう?
ちょっとゾクゾクするけど、男手を求められていると思おう。
少しは格好いい所見せないとね!!
こうして、僕は無人島に行くのに了承したんだ。
全てが罠だったと気がついたのは、初日の昼過ぎだった。
僕がそれに気がつくのは先の話。
そして、現在は終業式中。
ちなみにテストの結果は、
一位美嘉
二位ジェミニ
三位美咲
同三位フォーティ
九位僕
13位美玲
15位リリィ
54位美玖ちゃん
63位ラピス
140位クォン
って感じ。
上位三位はデッドヒートだったみたい。
一位と二位の差は1点、二位と三位は5点というとんでもない結果だった。
「・・・危なかったぁ・・・」
「くっ!?もうちょっとだったのに!」
「・・・流石ですね。負けていられません。」
「初めて受けたがこれは良い方なのか?まぁ、次は勝たせて貰おう。」
なんというか・・・雲の上の会話だね。
まぁ、僕もかなり良くなってるけど。
やっぱり、わからないところスッと教えて貰えるのは良いね。
みんなもちょっとずつ順位を上げてるしさ。
うんうん!
これなら、楽しく旅行に行けそうだ!!
この時点では、僕はそう思っていた。
心の底から、ね。
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