第95話 ついにみんなと・・・しました

「さ〜てシュン・・・」


 ビクッ


 美嘉の声が聞こえる。

 僕は依然として翠叔母さんに捕まったままだ。

 なんか「はぁ〜♡はぁ〜♡」って声がずっと聞こえてた。

 怖い・・・


ま”まんべずがな、なんですか?」

「あん♡瞬ちゃん振動が♡」

「お母さん!離れて!!」

「あら〜・・・残念・・・」


 美玖ちゃんに無理矢理引き離されてしょんぼりしている翠叔母さん。

 叔母さん・・・どこまでするつもりなんだろう・・・ブルブル。


「シュン?聞いてるの?」

「はい!聞いてます!!」


 僕は気をつけをしながら美嘉を見る。


「それじゃあ、あなたの意思をもう一度確認するわね。あなたは、どうしたい?」


 美嘉が真剣な顔で僕を見る。


 僕の意思・・・それはもう決まっている。

 管理者さんのアドバイス通り、あの場所に行ってトラウマを乗り越えたからか、自然と気持ちは定まっていた。


 僕は、固唾を飲むようにこちらを見ているみんなを見てから、美嘉を見る。


「僕は・・・みんなとずっと一緒に居たい。みんなが好きだから。だから、もう一つ関係を進めようと思う。」

「・・・具体的にはどうするの?」

「みんなと・・・する。」


 僕の言葉に、嬉しそうに、そして、恥ずかしそうにするみんな。

 ・・・あれ?待って?なんでそっち側に翠叔母さんがいるの?

 翠叔母さんとはしませんよ?


「・・・うん、良かったよ。あたし達からだけの一方的なものじゃなくて。ね?ジェミニ?」


 美嘉は、頬を赤く染めたまま、ジェミニを見る。

 

「そうね・・・正直、シュンくんの事だから、私の種族特性も考えて、仕方なくしてくれようとしてるんだろうなぁって思ってたから。シュンくんも私達と同じ気持ちでいてくれて嬉しいわ。」


 ジェミニは嬉しそうにそう言った。

 やっぱり、気にしてたのか・・・あのままなら、まずかったかも。

 良かった・・・


「シュンの気持ちは良く分かったよ。じゃあ、秘密の部屋を解放するね?」

「秘密の部屋?何それ?」


 美嘉は、寝室の壁に何かの魔法を放つと、そこには扉があった。


「この部屋はね?シュンの覚悟が決まったら解放しようとしていたのよ。入ってみて。」


 部屋に入って見ると、そこは・・・四畳半位のあまり広く無い感じ。

 内装はピンクで統一されていて、中央にでーんとベッドがあり、壁際には棚と小さな冷蔵庫がある位。

 というか、こ、この部屋って・・・


「専用の部屋よ。」

「・・・」


 やっぱり。


「この部屋は、完全防音なの。入り口の壁にスイッチがあるでしょ?」


 ドアの横に、スイッチがいくつか並んでいる。

 全部で3つ。


「一番上は照明よ。枕元で光量をコントロール出来るよ。真ん中は・・・押してみて。」


 真ん中のスイッチを押すと・・・なんだこれ!?


 一瞬で部屋の周囲が切り替わって、海になった!?


「あくまでも幻術だけどね。何個かパターンがあるよ?」


 パチン、パチンと切り替えると、森、山の頂上、学校の屋上、教室、と切り替わった。

 というか、そういう場所にベッドが鎮座してるのは違和感しかない。


「幻術はあと一種類あるわ。押してみて。」


 パチンと押すと、場面が切り替わり・・・うわっ!?


「それは、透明化よ。」


 言葉の通り、壁が透明化して・・・みんながいるのが見える。

 

「見られるのに興奮したいときに使って。ああ、向こうからは見えてないから。安心して?」


 使うか!!

 僕にそんな性癖は無い!


「最後に一番下のスイッチ、それは一番大事なもので、一番利用頻度が多いと思う。それは、『クリーン』の魔法が発動するスイッチよ。それを押すと、部屋の中が清浄化するの。だから、匂いとか、ベッドの汚れとかが綺麗になるよ。一応、部屋の中にいる人も、ね。押してみて。」


 押して見ると、確かに身体まで綺麗になった気がする。

 色々動いて汗もかいてたからね。

 なんだか、スッキリしたよ。


 ・・・なんというか、無駄にハイスペックだね。


 その時だった。


「うわっ!?」


 ぐいっと引っ張られる。

 僕はベッドに倒れ込む。

 そして、馬乗りになる美嘉。


「ごゆっくり〜♡」


 笑顔でバイバイしながら扉を閉めるジェミニ。

 まさか・・・このまま!?

 今晩って言ってたのに!?


「こら、よそ見しないの・・・」


 美嘉がじっと僕の目を見る。

 その目は潤んでいた。

 僕もその表情に真剣になる。


「美嘉・・・」

「ようやく・・・ようやく一つになれるんだね・・・」


 その表情かおはとても綺麗だった。


「・・・ごめんね?僕が情けなくて待たせちゃって・・・むぐっ!?」


 美嘉が僕の唇を塞ぐ。

 そう、美嘉は僕にキスをしていた。


「ぷはっ!シュン・・・あなたはいつまでたっても自信つかないね?でも、安心して?今から、とっておきの自信をつけさせてあげる・・・」


 そう言って、もう一度顔を寄せてくる。


「もしかしたら、痛がるかもしれないけど、絶対に止めないでね?だから・・・むぐっ!?」

「・・・ん。僕は、好きだよ?美嘉の事。絶対に離れたくないくらいに。愛してる。」

「シュン・・・あたしも。愛してる。どうか、あたしを、女にして?」

「美嘉!」

「シュン!」


 そこからは言葉はいらなかった。





「はぁ・・・♡はぁ・・・♡す、凄かった・・・♡」

「・・・恥ずかしくなるから、あんまり言わないでよそういう事・・・」

「だってぇ・・・♡」


 美嘉が僕に抱きついてくる。

 

 どうやら、スキルが上手く働いてくれたのか、美嘉はあんまり痛がるような事も無く、満足してくれたみたいだ。

 ・・・そういう僕も、すっごく精神的に落ち着いたんだけど。

 勿論余裕なんか無くて、ただがむしゃらだっただけなんだけど、なんというか・・・満足感が凄い・・・


「ああ、シュン・・・♡一緒にこのまま寝たいけど・・・ちょっと一番下のスイッチ押してくれる?」

「え?良いけど・・・」 


 僕はベッドから降りて、スイッチを押す。

 途端に身体からべたつく感じが消えた。


「押したけど・・・!?」


 目の前に美嘉が立っていたのに驚き、その隙を狙ってキスをされた。


「ぷはっ!じゃ、頑張ってね?」

「へ?」 

 

 ドアを開けて美嘉が出ていき・・・


「シューく〜ん!交尾しよ〜♡」

「へ!?」


 発情しきったクォンが飛び込んできた!


 そしてそのまま僕ごとベッドへ・・・って、まさかこのままずっと連続で!?

 

「ご飯には呼びに来るわね?向こうからボタン押したら、チャイムが鳴るから。」

「待っ・・・むぐぅ!?」

「じゃあねシュン?頑張って満足させてあげるのよ?」

「シューくん♡はむっ♡ちゅ♡シューくん♡」


 ああああ・・・ムードもへったくれも無い・・・


 こうして、僕は、一気に大人の階段を駆け上がって行く事になったのだった・・・






 追伸。


 みんなと一通り終わった時、翠叔母さんが混ざろうとしたので、真剣に止めました。

 翠叔母さん・・・そんな残念そうにしないで下さい・・・


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