「マジカルミライ」との比較

 この章では、これまで毎年行われてきた「初音ミク マジカルミライ」と今回の「プロジェクトセカイ カラフルライブ 1st Link」の比較を行ってみたい。この比較は、開催前後で多くのファンが考察してきたものである。それで、私も私なりに比較をしてみたいと思ったのだ。というわけで、さっそく話を始めていきたい。

 「マジミラ」と「セカライ」の違いを一言で言うなら、"初音ミク"を主役と見なすか否か、であると考える。「マジミラ」は正式名称からわかる通り、明確に"初音ミク"のイベントである。当然ながら、ステージでの主役はミクであり、曲の多くをミクが歌唱する。もちろん、他のバーチャルシンガーも歌うが、あくまで主役は"初音ミク"である。

 しかし、「セカライ」はそうではない。こちらの主役はセカイの子たちである。ミクを含めたバーチャルシンガーたちは登場こそするが、ゲームのストーリーと同様に、セカイの子たちのサポート役に徹している。それゆえ、彼らバーチャルシンガーがメインで歌えたのは、「千本桜」の一曲のみだったのではないかと考える。

 もちろん、「セカライ」の元である「プロセカ」にはバーチャルシンガーのみが歌う楽曲が収録されている。当然、「セカライ」で演奏して何ら問題はないだろう。私自身、バーチャルシンガーがソロで歌う場面があるのではないかと考えていた。だが、実際はソロで歌った曲はなく、そのすべてが"セカイver"で演奏された。ここから考えるに、「セカライ」は「プロセカ」のイベントであり、主役はセカイの子たちであると考えるのが良いだろう。

 これが良いのか悪いのかと言えば、正直なところわからない。ただ、「プロセカ」に焦点が当たったことで、「マジミラ」ではあまり見かけなかった客層がイベントに参加してきたことは、決して悪いことではないように思える。今までのミクライブを期待した人たちからしてみれば、不服かもしれないが、私としては、これはこれでアリなのではないかと考えている。ミクがつないできた文化と想いが、この"セカイ"を作り上げたとするなら、この形も間違いではないのだと私は思う。

 最後になるが、それぞれの特徴について自分が思ったことを箇条書きで記しておく。気になる人は参考にしてほしい。


マジミラ

・主役はバーチャルシンガー(特にミク)

・バンドメンバーの紹介あり

・1ホールでのライブ開催

・客層は様々

・企画展あり

・楽しい


セカライ

・主役はセカイのキャラクター

・バンドメンバーの紹介なし

・2ホールでのライブ開催

・客層は比較的若い(学生多し)

・企画展なし

・楽しい

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