8話 え?気のせいじゃないか?



 カレンマコと結城遥がスパでいちいちゃしている頃……。桜川真カレンと雫は、カレンマコを探していた。


「もう、お兄ちゃんどこ行ったのかなぁ」


「プールにはいないみたいですね」


 カレンさんと二人でいると水着が男用なので、ナンパされないのはいいけど……。

 どう見ても男の娘にしか見えないカレンさん。私と身長が同じだったら双子の兄妹にしか見えないかも。


「ここにいないとしたら、露天のあるお風呂か……違う階にあるスパかな」


 お風呂だとカレンさんは男湯だから入れないし……。カレンさんは女湯にも入れないから無理だよね?


「ってカレンさん?」


「スライダーもう一回!行ってきます!」


 もう、カレンさんはウォータースライダーに嵌まったらしくて、もう何度も滑りに行っている。次はボートに乗るタイプに行くみたい。


「待って!私も行くから!」


 2人用のゴムボートに乗って川を滑り降りるタイプのアトラクションで、実は結構楽しい。私も嵌まってしまったのでカレンさんと何度も乗っている。


「お兄ちゃんとも乗りたかったんだけどなぁ」


「次、わたくし達の番ですよ?」


 ボートの前側に私が乗り、後ろにはカレンさん……なんかお尻に固いのが当たってるんですけど?


 係員にボートを押され、ボートが流れに沿って流されていく。


「うきゃ!あはははは!気持ちいい!」

「んんん♡気持ちいいですぅ!」


 気持ちいいのはどこなの?カレンさんは後ろから私にしがみついてて手が私のおっぱいに当たっている。興奮して下半身に血が集まっているのか息が荒い。


「うわ!流されるぅ!ひゃ!あん!」

「あん♡……んん♡んあ♡」


 カーブで揺れるたびにカレンさんが悶えて……こっちが恥ずかしい。


「はぁ♡気持ち良かったです♡」

「でしょうね?」


 やっぱりお兄ちゃんの姿は見えない。


「もしかしたら、お兄ちゃん他の階にいるかもだし。カレンさんも移動しようよ」


「そうですねぇ。分かりました。マコ様を探しに行きましょう!」


 カレンさんも、スライダーを十分堪能?したようで私達はプールから離れて他の階に探しに行くことにした。


 上の階はゲームセンターだった。


「雫ちゃん!ゲームです!ゲームがありますよ?」

「カレンさん?今は水着を着てるし、お金も無いから!」


 その上の階は水着で入れるサウナとかミストサウナ、岩盤浴なんかがあって暑いフロアになっていた。ここからはスパになってるみたい。


「あついですぅ……もう出ましょう?」

「私もだめ……」


 ここにもお兄ちゃんはいないみたいだった。

 岩盤浴は暗くて良く見えなかったけど。お兄ちゃんの巨乳は目立つから見落とすことは無い。


「と、なると最上階の屋上?」


 階段で最上階に上ると、そこはリゾートになっていた。すごい南国だ。


 海をイメージした広い温泉プールにヤシの木。温水が湧き出る噴水まであって南国リゾートって感じ。

 プールサイドには背もたれ付きのビーチチェアがいっぱい並んでいてハイビスカスをイメージしたパラソルに売店。


「凄いです!」

「これは……来て良かったって思える南国パラダイスね」


 ただ南国パラダイスにしては人が少ないような気がした。


 そうだ、ここは屋上だから屋根が無い。だから南国なのに寒いんだ。

 雨が降ったら濡れちゃうし。


「寒いから入りましょう!」


「さぶさぶ!」


 っていうか雨降って来たから寒いんだよ。どこかに雨宿り出来るところはないかなぁ?


 ……ん?洞窟風呂?


「雫ちゃん!こっちに大きな穴が開いてます!」


「そこだ!早く避難しよう?」


 別に雨に濡れてもいいんだけど?髪の毛は濡らしたくないしね。


「やっぱりお湯の中に入ると暖かくていいね?」


「はぁ……心も温まりますぅ!」


 洞窟の中は薄暗かったけど、暖かくていい感じのスポットだった。

 結構洞窟は広くて、奥にも続いてそうだった。


「奥も有るみたいです?」


「ちょっと探検してみる?」


 洞窟探検って子供だったら憧れるシチュエーションだ。


「はい!」


 温泉につかりながらゆっくり暗い中を進むと……誰かにぶつかった。

 

「あ、すみません」


「ん?こんな所に子猫ちゃんが何の用かな?」


「あれ?結城先輩?」


「あ、遥ちゃん!やっと見つけたよ?」


 洞窟の奥には結城先輩がいた。結城先輩も雨宿りかな?


「この先は危険だ。崩れかかっている場所があったから戻った方が良い」


「え?そうなんですか?」

「それは怖いです」


「入口まで僕が案内しよう。足元に気を付けて?」


 結城先輩が危ないから戻ろうと教えてくれたので、カレンさんと入口まで戻ろうとした時だった。


 ……洞窟の奥から艶めかしい声が聞こえたのは。



「ん、ああああああああ!んく!いくいく!」 



「え?今……藍沢先輩の声がしませんでした?」


「え?気のせいじゃないか?」


わたくしにも聞こえました!」



 ……あの声は自信は無いけど確かに藍沢先輩だと思う。



 結城先輩は、なんで藍沢先輩を隠してるのかな?


「奥に行くよ?カレンさん!」


「はい!」


「ちょ、今は駄目なんだ!」


 カレンさんと洞窟の一番奥まで行くと……そこには半裸の藍沢先輩と、……全裸のお兄ちゃんがいた。



「お兄ちゃん?裸で何してんの?」


「マコ様!?酷いです!」


「はぁ……はぁ……あら……雫ちゃんと、カレンさんも来たのね♡」


「えっと……これは違うのよ?」



 ……結局、何が違うのか分からなかったけどお兄ちゃんは、私達に内緒でここでお楽しみだったみたい。




あとがき



また、執筆の励みになりますので、続きが読みたい。

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