6話 もちろん脱がすのはOKだ


 

 今日は日曜日、昨日は今日の為にカレンと雫を連れて、水着を買い行って来たのよ。


 プールに行くには季節外れなので、今日行くナイマリンは室内型の総合温浴施設でプールがメインとなっている。


「でも良く手に入ったわね。このチケット良く見たら招待券よ?しかも5枚も?」


「生徒会で貰いました!」


 生徒会で?何か裏でもあるのかしら?


「まぁいいけど……無料ただで入れるなら」


「それより早く出ようよお兄ちゃん」


 妹の雫は待ちきれないようで早くも昨日買ったヒラヒラの水着を着ている。


「雫、水着で外に出ないでね?服はちゃんと着るのよ?」


「当たり前じゃん?」


 準備をして出かけようと外に出たら、待ち構えている人が2人。


「おはよう真君、今日はお出かけかい?」

「おはよ真!来ちゃった♡」


「おはよう遥に佳奈。実は、今日はプールに行く予定なんだけど……」


「もちろん中に着てきたから大丈夫さ」

「ちゃんと持ってきたよ?もう急なんだから……サイズ合うかなぁ?」

 

 え?何で知ってるの?


「昨日ナインメールしときました!」


「そうなのね」


 いつの間に?カレンがメールしてくれたみたい。なんで連絡先知ってるのよ?


 そういえば携帯カレンに渡してたわね。だから私の携帯は無いのよ?まぁ憑依するのに邪魔だから携帯はいらないんだけど?


 でも最近は憑依してないから携帯くらいはあってもいいかしら?


「携帯は無理かしら」


「そうそう忘れてた、みんなで相談して決めたんだけど、真君に連絡が取れないのは、僕としては不服なんだよ。だからこのスマホを使ってくれないか?通信料とかはいらないから好きに使ってくれ。連絡先は全部登録済みだからすぐ使えるようになっている」


「なんか作為的な物を感じるわね」


 どうして私の彼女、4人全員の連絡先が登録済みなのかしら?


「でも、ありがとう遥。大事に使わせてもらうわ」


「こんな事しか出来ないんだ、うちはお金だけはあるから気にしないでくれ」



 結局5人で出かける事になったけど、招待券は5枚あるので大丈夫。


 本当に作為的な物を感じるわ。まさかね?


 それから電車に乗り、最寄り駅で降りて徒歩で移動すると目的地ナイマリンに到着した。


「着いたー!!」


「着いたよお兄ちゃん!早く早く!」


「そんなに急かさないでくれるかしら?プールは逃げないわよ?」


「逃げるよ?早くしないと、逃げちゃうよ?」


 ナイマリンはナイングループが経営する複合型の温浴施設で温泉やサウナ、ゲーム施設カラオケ、レストランなどの設備も整っている。


 その為、駐車場も大きいし建屋と敷地も東京ドームで数えられる程大きい。


「大きいわね」

「うわ!半端無い大きさだね」

「でかーい!」

「すごく大きいです!」


 ちょっと、カレンの言い方はエッチだったけど……本当に大きなナイマリンの建屋だった。


「さて入るわよ?」


「待ってたぞ諸君!遅いじゃないか?」


 入口の前にいたのは生徒会の面々だった。


「はい?」


◇◇



 生徒会の面々といっても、生徒会の会長と副会長、会計と書記まで全員がそろっていた。


「それで?どうして会長たちがいるんです?」


「今日は課外活動としてプール開きを開催する!」


「プール開くには早いでしょ?まだ5月ですよね?」


 会長が言うにはここは会長の家のグループ傘下だからいつでもいいらしい。


 言ってる事は分からないけど、そのまま誘っても彼女までは連れてこれないだろうから気を使ったと。


 気を使わせてしまって、ありがとう御座います先輩。


「と、言う訳で今日は生徒会課外活動!はっじまっるよ~☆!」


 会長がノリノリなので。目を合わさないでさっさと行きましょう?


「ちょ、まってよ!置いていかないでぇ☆」


 入口で5人分の招待券を渡してゲートを潜ると、そこはお土産屋さんだった。ここは帰り用ね、あと水着のレンタルや販売もしているみたい。


 さらに進むと更衣室があるのよ。とここで問題が発生。


「マコ様!男の方には入りたくありません!そっちが良いです!」


 カレンが男子用の更衣室に入れない、じゃなくて女子更衣室に入れなかったのよ?


「マコ様ひとりじゃ無理です!」


「分かったわ。カレンはそこで待ってて?着替えてくるから」


「分かりました」


 私はさっと水着に着替えをすますと、カレンの所に移動し、カレンに憑依した。


『カレン?これで私がいるから大丈夫よ?』


「マコ様大好きです!」


 まったく世話がやけるわ。


 カレンの着替えを手伝って施設の中に入ると天井は高く中はとても広かった。


 ウォータースライダーや流れるプール、学校のプールのようなものもあって迷いそうなくらい。

 水は温泉みたいに温かいから冬でも楽しめるとの事だった。


「みんな~あつまれ~!」


 ……って会長!?


「集まってもらったのは、この活動について説明を行うためだ!」


「は?」


「これから各種目で戦ってもらう。優勝者には商品も用意したので頑張ってくれ」


「ええええ?」


「まずは、種目ウォータースライダー水着型」

「次に、種目50m障害物自由形」

「次に、流れるプール2周」


 この3種目で争ってもらう!


 まずはウォータースライダーから!


「1番副会長山城拓実!」


「行ってきまーす」


 副会長の山城先輩は胸が大きく、赤いビキニからはみ出ているけどサイズ合ってるのかしら?

「きゃあああああああ!!」


 先輩が滑ってくると案の定!ビキニが外れて豊満な胸が丸出しになっているのよ?


「優勝!副会長!」


「え?どういう事?まだ副会長しか滑ってないんだけど?」


「言ってなかったか?この競技は水着がどれだけ外れて露出しかたを競う競技だ」


「だから今のは文句なしに鼻血が……おっぱい全開で優勝だ」


「いや参加しないで良かったわ」


「で他の競技は?」


「50m障害物は50mのプールを泳ぎ切るまでに、他の客も泳いでいるので、他の客から水着を奪ってどれだけ集めるかの……」


「もういいわ、次の流れるプールもそうなんでしょ?」


「流れるプールは流れないで2週脱げずに持った方の勝ちだな。もちろん脱がすのはOKだ」


「聞いた私がバカだったわ」


 ……結局、生徒会長の競技から逃げまくってたら疲れたのよ?





 

あとがき


プール回は長いので終わりませんでした。


また、執筆の励みになりますので、続きが読みたい。

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