異世界に金髪ロリ巨乳美少女として転生した俺、元の世界の俺に求婚されて困っています。

蒼真 咲

プロローグ1


 私、桜川真さくらがわまこ、高1が異世界に転生してそろそろ2年の歳月が経つ。

 私は、ちょうど高校2年生になる前の春休み中に死んだ?らしいので、心はまだ高校1年生のままだ。

 最初の国イブランド王国を出奔して、辺境の国サイリスカに辿り着いたのが一年前の事。あ、自分の事を私って言っているのは、今の自分は女の子だから。

 そう。私は女の子に転生してしまったのよ。

 私は元々女の子っぽい顔をしていたので、元の世界ではカッコいい男っていうのになりたくて自分の事は俺って言っていたんだけど、自分で言うのもなんだけど可愛い顔で俺って、今考えても顔が赤くなる黒歴史だ。


 今では、もう俺なんて一人称は使わなくなった。だって私は女の子だから。


 今日は、色々あって一緒に住んでいるネコ獣人のサーラちゃんとエルフのリゼは町に買い物に出ている。

 サーラちゃんは女の子に興味はなく、リゼは身持ちが堅い。もちろん私は男には興味が無い。故に一緒に住んでいるだけてムラムラが溜まってくるのだ。


 さて、二人がいないうちにと考えて私は自室に籠ったのだった。


◇◇


『--顕現イーラ!』


 頭の中でそんな言葉がアラームのように鳴った。


「なっ何!?」


 次の瞬間、私の体は白い光に包まれた。

 次第に目が慣れてくると、私の前にわたしがいた。


「ふぇぇ!?嘘!?」


 目の前に現れたわたしは、びっくりした顔をして声を上げた。


「な、ななな、何をしているの!!?」


 いや、違う。……現れたのは私の方なの?


あなたは!何をしているんですかぁ!?」


 目の前のわたしが、顔を真っ赤に染めながら私の股間を凝視しながら叫んでいた。

 わたしに見られて、私が恥ずかしいなんて事が有る訳無いけど、今回に限っては違っていた。


「あっ……いやって……えーっとコレはぁ……うん、違うのよ?」


 私の左手は自分の大きな双丘おっぱいの片側を揉んでいて、私の右手は私の大事な場所を押さえていた。


 更に言うなら私は現在、一糸纏わぬ全裸といえば状況は分かると言うもの。

 どう見ても私は自慰してました。なんて状況。


あなたは、でナニをしてるんですかぁぁぁぁぁぁーー!!!!!」



◇◇



 私の名前はカレン・グランチェスカ。

 

 だれもが羨む、100人男性がいたら100人が振り返るような金髪碧眼の美少女ロリ巨乳なのよ。

 一応、グランチェスカ公爵家の令嬢として転生したはずなんだけど、目の前にいるのは紛れもなくなのよね。


 そう、桜川真さくらがわまこ本人だった。



「あなたは!いったい誰なんですか!?」


 まさか、自分に名前を聞かれるとは思っていなかったけれど……今の私は転生後の姿。


「私は、カレン・グランチェスカよ?」

「そうですよね?ってそれくらい見たら分かるんです!!違うんです!!そうじゃないんですぅ!!っていうか、早く服を着てください!!」


 そうだ、そういえば、私は一人で自慰してたのもあって裸だったわね。


「はいはい。分かったからタンスの上から3段目に下着、2段目にトレーナーとズボンあるから取ってくれないかしら?」

「え!?タンスって?どれですか?」


 目の前のは、の姿はしているけど……、タンスも知らないって?……まさかと不安がよぎる。


「これがタンスで……もう自分で取るからいいわ」


 えーっとパンツと……コレ男物だけど仕方ないよね?だしね?


「んん~!!!ハァハァ……と……、殿方の下着ぃい!!くぅぅ……」


 のトランクスを見た俺は、耳まで真っ赤に染めて両手で目を覆うように隠す。


「そうそう、本当の名前だったわね……私……の前世の名前は桜川真よ、で、あなたはこの身体のカレン・グランチェスカさん?なのかしら?」


「そうですよ!!私がカレン・グランチェスカですよ!?多分!?私がカレンなのよ!?だから私の体返して下さい!!」


「えーっと、なんというか。あなたの体も私のなんですけど?」


「へ!?」


「……どうやら私達の体、入れ替わってたみたいね」


 どうやらこの混乱の状況が、少しばかり見えてきたようだった。



◇◇



 それから私は、異世界にカレン・グランチェスカとして転生してから今までのことをカレンに説明した。


 転生して2年の間にこの体にも慣れ、口調も俺から私に直した事。

 婚約者に婚約破棄された事、等々。


「え~!?ギルバートに婚約破棄されたですってぇ~!?」

「そうよ、転生したその日に破棄されたわよ」

「お陰でこっちは毎日が逃亡生活。国境三つ跨いで魔物の森で暮らしてたわ」

「そうなのですね……なんかギルバート婚約者が、ごめんなさい」

「あんたのせいじゃないわ、あんな性格ダメダメ王子と結婚しなくて正解よ?」

「で……こっちの状況はどうなの?」


 カレンから事情を聞くとこっちの世界に来て、まだ部屋から出ていないとのことで、向こうの世界では2年経っていたけど、こっちの世界では1日も経っていないようだった。


 ――向こうの世界とは時間の流れが違うのかしら?


「それは良かったわ、この部屋からは出てないのね?それならまだ大丈夫ね、カレンって……呼び方、カレンでいい?わたしの体だからマコにする?」


「えっと、じゃぁ……カレンって呼んで欲しいです。カレン♡」


「分かったわ。でも……どっちもカレンじゃ呼びにくいし、それじゃ私のことはマコって呼んで頂戴」


 桜川真の体にカレン、呼び方はカレン。

 カレンの体に桜川真、呼び方はマコだ。

 紛らわしいが、仕方ない。


「ちょっと、私の顔で言われると恥ずかしいですね……これからよろしくお願いします。マコ♡」


「ええ、こちらからもよろしくお願いするわ。カレン」


 カレンが、を呼ぶ声に艶が出ている気がするのは気のせいだろうか?





あとがき


プロローグ加筆修正しました。


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