第2話 少年執事のバレンタイン

 少年執事のバレンタイン


【ご主人様(リスナー)のイメージ】

 一人暮らしでアパートに住む20代の会社員。

 ひょんなことから込み入った事情の少年(少女)を預かることになる。

主人は断るが、居候の家賃の代わりに家事雑用をこなしてもらうことになった。


【声のイメージの例】

 少年のイメージ:メガネをかけた黒髪長髪のおとなしい少年。

 ボクっ娘少女のイメージ:身体を動かすことが好きな体育会系の少女。

 (※過度に雰囲気を損なわない範囲で自由にアレンジしてください)


(玄関の扉の開く音)


 おかえりなさいませ。ご主人様。


 お仕事、お疲れさまでした。


 ……。(ご主人様の返事)


 はい、コートと鞄をお預かり致しますね。


 (布の擦れる音)


 ……。(ご主人様の返事)


 夕食の準備は整っております。


 お風呂の準備も済ませてありますが、いかがいたしますか?


 ……。(ご主人様の返事)


 かしこまりました、では夕食を用意致します。


 本日は煮込みハンバーグ、ミネストローネ、ポテトサラダ、キノコのオイル煮、カボチャの蒸し焼きです。


 5分ほどで用意できますので、少々お待ちください。


 では……あの、どうかなされましたか、ご主人様?


 …………。(ものを取り出す音)


 あ、えっと……この箱は……ボクに……?


 …………。(ご主人様の返事)


 …………あ、いえ、そんな……こちらこそ、いつもありがとうございます。


 ……えっと、その……これは、本当にいただいても、よろしいのでしょうか?


 …………。(ご主人様の返事)


 あぁ、いえ! いえ! 決して、そういうわけではないです! 嬉しいです! とても嬉しいです!


 ……あの……実は、今までこんな風にもらったことが……なかったので、ちょっとだけ……驚いてしまいました……。


 …………。(ご主人様の返事)


 ありがとうございます! 大切にいただきますね!


 …………。(ご主人様の返事)


 はい! ありがとうございます!


 ……。(ご主人様の返事)


 ……ただ、少し、申し上げにくいのですが……実はデザートにガトーショコラをご用意させていただきました。


 ……チョコをチョコでお返しする形になってしまって申し訳ないのですが、……召し上がっていただけますか?


 …………。(ご主人様の返事)


 ……はいっ! ありがとうございます!


 では、すぐに食事の用意を致します!


 (スリッパの遠ざかっていく音)

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