14話 桜の暴走?その2

「はるか、はいとうぞ」

そう言い私の前に卵焼きを突き出す姉

「はるちゃん!はい!」

そして私の反対から唐揚げを突き出す桜

どうしてこうなった。


お昼の時間になり、姉と桜と一緒に屋上でご飯を食べることになった。

屋上に着くなり私を2人は私を囲んでお弁当を食べ始めた


そして、お弁当のおかずを箸で持ち上げると2人して私の方に向けてきた。


そして何故か睨み合う2人、流石にこの歳になって「あーん」は恥ずかしいので、睨み合う2人を眺めながら自分のおかずに手をつけようとすると2人はより強く私の前におかずを突き出してきた。


(いったいなんなの〜!)

どうしてそんなにわたしに食べさせようとするのか分からないし、何より姉の前でそんな恥ずかしい真似できない。


「食べて?」


姉にそう言われてしまっては食べるしか無い。

恥ずかしさを押し殺して食べる。

すると姉は嬉しそうに微笑んでくれた。

私のお弁当にもあるいつもの卵焼き、なのにいつもより美味しく感じた。


そんな思いに耽っていると横から「ずっるーい!」と頬を膨らませた桜が唐揚げを更に突き出してきた。


勢いに任せて唐揚げを口に入れると桜は花が咲いたような笑顔になった。

何がそんなに嬉しいのかは分からないけど、ここまで喜んでもらえるなら悪い気はしない。


悪い気はしないのだがまた姉と桜が睨み合い始めるのは流石にやめて欲しい。


「ねぇ、私楽しくご飯食べたいんだけど」

少し不機嫌そうにそういうと2人は元の位置に戻ってご飯を食べ始めた。

私も続いて食べ始めたのだが,時々横から私の方におかずが向かってくる不思議な時間になった。


おかずは美味しくいただきました。

 

仲良く?お弁当を食べ終わり、そのままざつだんを始めた。

「それでね!沙羅先輩ってばこの前の練習試合の時に寝てたの!すぐに試合に出るのに!」

「それを言うなら桜ちゃんも稽古中にぼーっとしてる時があるじゃない!」

「そんなことないですよ!」

「それにあれは寝てたのではなく、ただ目をつぶっていただけよ!まったく...」

「プフッ!」

慌て弁明している姉の姿がどこかおかしくて思わず吹いてしまった。

すると姉は恥ずかしそうに

「やめて//恥ずかしいから」

「っ///!」

姉が恥ずかしそうに真っ赤な顔で見つめてきて、思わず顔が赤くなってしまう。


すると隣の桜が少し不機嫌そうに「もう少しでチャイムなるよ」と言われ時間を確認するとあと3分でお昼休みが終わる所で慌てて姉にさよならを言い教室に戻った。


そこから教室に戻るまで桜はずっと暗い表情だった。

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