第18話 モブと寝取り役のヒロイン
プール当日。
未那は友達と遊びに行くと、先に家を出た。
俺はというと、携帯のマップで施設までの行き方を検索したり、服を選んでいた。
「私服がダサかったらアイツめっちゃバカにしてきそうだな」
だっさい服〜、とか煽ってくる七香の顔をが容易に浮かぶわ。
最近はオシャレにも気を配るようにしている。といっても、服はセンスがある未那に選んでもらっているが。
未那に選んでもらった一張羅を着て、電車に揺られる。
「えーと、目印となる建物建物……」
電車を降り、マップを頼りに施設に向かう。そして無事に到着。
施設の入り口周辺で七香を探す。
それらしい人物はすぐに見つかった。やけに周囲の客、特に男たちがそわそわしていたから。
「あの子めっちゃ可愛い。モデル?」
「おい、お前誘ってこいよ」
黒髪のショートカット。
それに――美少女だってのも間違いない。
寝取り役のヒロインでも溢れんばかりの美少女オーラがありますねぇ。
遠目から見るものなんなので、さっさと話しかける。
「おはよう。ちゃんと来たんだな」
「おはようございます。当たり前じゃないですか。これも全部、勇臣先輩の為ですから♪」
「しぶとい奴め。いい加減彼氏持ちじゃない男に切り替えればいいのに」
「生憎、初恋って中々忘れられないんですよ」
顔を合わせればこんな話ばっかりだ。
要するに、通常運転。
「てか、私よりも早く来てくださいよ。レディーを待たせちゃいけないって聞きません? そんなじゃあの可愛い彼女には明日にも捨てられますね、クスクス」
「あ? なんだと……」
って、ん? 彼女? ……まさかコイツ、未那が俺の妹って知らないのか? 確かに未那と七香が接触したのは遊園地時のみ……。
「どうしました? もしかして既にフラれていましたか? それはお気の毒に〜」
「残念ながら今も仲がいいですーぅ。無駄口叩いてないで行くぞ」
「ちぇ、つまんないのー」
煽り口調に、ついこう返してしまった。
彼女の件は一旦はこのままにしとこう。
けど、俺の寝取り阻止作戦に未那は出来るだけ関わらないようにしないとな。
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