【完結】寝取りもののエロゲで寝取り役のヒロインに「クソビッチ」と言ったら、襲われたモブ(俺)の話聞く?
悠/陽波ゆうい
第一章
第1話 そもそも寝取ろうとするヒロインを改心させればいい話じゃね?
俺は——寝取りが大っ嫌いだ。
もう一度言う。俺は寝取りが嫌いだ。
サークルの先輩? 兄のセフレ? 親友? 整体師? に……寝取られた?
快楽落ち? 胸糞展開? バッドエンド? ……寝取られた?
他人で喘ぐ最愛の人の姿を見て絶望?
死ね!死ね!ふざけんな!関係ない奴は出てくんじゃねぇ!!!!
と、俺はソフトをバキバキにした事がある。貸してくれた友達にはめちゃくちゃ怒られたけど。……ごめんな。
あと美少女が主人公を寝取る、逆NTRも嫌いだ。
クズヒロインなら……確かに寝取って正解だと思う、うん……まだ、まーだ許せる。しかし、純粋で一途に想ってくれるヒロインから奪うのはどう考えても間違いだ!!
『彼女がいるのに、助けた小悪魔後輩に責められて僕はもう……』
いかにも寝取りもののエロゲーっぽいタイトルである。絵柄があまりにも好みで、パッケージのヒロインに一目惚れした俺はそのエロゲをよく確認もせず購入し……死ぬほど後悔した。
結論から言おう——糞ゲーだった。
主人公と幼馴染のヒロインは付き合って1年になるカップル同士。だが、主人公がヘタレだったせいで中々エッチには至らず、関係は幼馴染の頃と大して変わらなかった。
そんなある日、主人公は1つ下の後輩、
いや……気に入られて誘惑された。
エロい身体をした清楚系ビッチな後輩、七香にボディータッチをされながら甘い猫撫で声で誘惑され、色仕掛けをされる。彼女の遥がいることも関係なく、媚び媚びの囁き、言葉責めと耳舐めや手コキで浮気をそそのかしてくる。
次第に主人公も遥よりもドスケベなムチムチボディに魅力され、甘い囁きに昇天し……ついには遥より先にヤッてしまった。そのときに写真を撮られて弱みを握られた主人公は七香の言いなりになってしまい……。
そして最悪なのはラスト。
七香はあろうことか本番行為の映像を遥に送ったのだ。その映像で遥は寝取られ性癖に目覚め、ついには撮影に自ら協力するようになり、秘めたる変態性を開花させていく……というクソみたいな終わり方で物語を締め括る。
他にも別ルートが3つあるが、どれも最悪だ。
かぁーぺッ!!!!ぺっ!!!!
あの純粋無垢で可愛い幼馴染もとい彼女と大人しく付き合えやこらぁぁぁ——!!!
何故、あんなに可愛い彼女がいるのに他の美少女に目移りする。
何故、積極的なビッチ相手になら乗らされて積極的にセックスする。
そもそもラブラブチュッチュな2人の間に入った寝取り役のヒロインがいけないんだ。寝取ろうとするヒロインを改心させればいい話じゃね?
そんな怒りを覚えつつ、俺は眠った。
迎えた朝。
俺は鏡の前で自分の顔を見ていた。
「は? こいつ誰?」
かれこれ2分くらい戸惑ってる。
映っているのはいつもと変わらない自分の顔……のはずなのだが、目の前には他人の顔。黒髪の普通の顔。
「翔太郎ー! ご飯よー!」
母親らしき声が誰かを呼ぶ。恐らく俺だろう。
ここは俺の家じゃない。そして他人の身体。これは違う世界に転生したんだな。で、俺はコイツを見たことがない。という事は……
「モブだな」
顔が出ず、文字起こしだけのモブ。
声だけめっちゃいいモブ。
モブ、ねぇ………。
「お兄ちゃん! 私がそこ使うから早くどいて!」
と、現れたのはセーラ服を着たツインテールの美少女。
「ああ、今どくよ……ん?」
お兄ちゃん? お兄ちゃん呼びということは……妹! 妹だと!? モブの分際でこんなに可愛い妹がいやがるとは……って、まぁ今は俺の妹か。
「なに首傾げてんのバカ兄貴。早く行って」
「悪い悪い。可愛い妹の顔に見惚れてさ」
「は、はぁ!? なな、なに言ってんのバカ兄貴! べべ、別にお兄ちゃんに褒められても、嬉しくないんだからっ!」
顔を真っ赤にする妹。
ほう、ツンデレとは……これは是非、妹ルートを開拓していきたいな。
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