LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅱ【混戦】
SEN
LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅱ【混戦】
LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅱ【混戦】
台本:SEN 声劇8人台本(男5・女3) 所要時間:70分
説明欄や詳細文などに『作品タイトル・台本URL・作者名』の明記をお願い致します。
※各作品の著作権は放棄しておりません。無断転載や自作発言等、著作権を侵害する行為はお止め下さい。もちろん無断での改編や再配布も禁止です。
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※アドリブ等はストーリーを捻じ曲げない、雰囲気を壊さない程度であればOKです。
キャラクター紹介↓
ミアナ(23歳・女):リヴィアを陥落させ世界最強と言われる女を倒し、世界平和に向けリヴィア大陸の覇者となり王女となる。ヘッドハンターズ世界大会を開催するなど戦争の無い世界を目指し外交なども常に行っている。
フラス(男・36歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【義心】リヴィアを我が手にする為計画していた。ミアナ達によって阻止され殺されたはずだが…
ラウト(男・28歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【蜥蜴】のラウト。ウサチの兄貴分で妹のように可愛がっている。ネイアによって殺されたはずだが…
ウサチ(女・27歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【変激】のウサチ。ラウトを兄のように慕っている。ミアナに見逃してもらった後キギアによって殺されてしまったはずだが…
ロウガ(男・36歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【頑槍】のロウガ。槍の使い手。元カイユの部下、兼弟子。フラスによって殺されたはずだが…
ユクロ(男・28歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【畏怖】のユクロ。カイユとの死闘の末、首をもぎ取られ死んだはずだが…
イーア(女・26歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【疑心】のイーア。ジャミ民族最後の一人。シマクが大好きで全ての世話をしていた。ネイアに殺されたはずだが…
チダイ(男・26歳)
リヴィア帝国七騎士団長の一人【楽撃】のチダイ。陽気でひょうひょうとし隠密行動が得意。ネイアに殺されたはずだが…
配役表
ミアナ:
ロウガ:
フラス:
ラウト:
ウサチ:
ユクロ:
イーア:
チダイ:
本編↓
ミアナ
「消えた……何?どういうことなの…何が起こっているというの…私に関連するヘッドハンターズから姉さんを…殺すまで。私に関連した人を……出現させた?何?そんなことができるはずが……いや待て…そのあとアイツは何て言ってた?…そうだ…信じるのは、実際に見ること。会うこと。戦うこと。それ以外、無い…と」
フラス
「おい、お前」
ミアナ
「誰っ!?」
◆SE構える
フラス
「……貴様…あの小娘か」
ミアナ
「ぇ……フラ、ス……貴方は…死んだはずじゃぁ……私と姉さんで…殺したはずじゃぁ…」
フラス
「……やはり、その死の記憶は間違いではないのか」
ミアナ
「どういうことなの…何が…」
フラス
「こちらが聞きたいぐらいだな…何が起こっている説明しろ」
ミアナ
「説明も何も無いわ…今起こっている事が真実よ」
フラス
「馬鹿な…俺は貴様達に殺された。首を跳ねられた……それは鮮明に覚えている。だがどうだ…こうして今ここに生きている…これはなんだ?ラニアガスの種の力も無くなっている……そして何故お前が玉座に居る」
ミアナ
「私がリヴィアの…いえ…デスタアネミナの王だからよ」
フラス
「……ふっ…笑えない冗談だ」
ミアナ
「冗談?本気よ…この国は私が5年かけて平和にした…したつもりだったわ…」
フラス
「ほぅ?だが失敗に終わったか?リヴィアの制覇は、平和には繋がらなかったか?」
ミアナ
「……そうよ…だから私はヘッドハンターズを開催しエフナ大陸をも巻き込んだ…戦争の起きない世界にしようとした…けど結果は…もぅただの武力行使が蔓延る世界になっていった」
フラス
「あの大会は表向きだけだ、真の強者はそんなもの眼中にない。あるのは数の暴力、力こそ全てだ」
ミアナ
「……それは…あなたの言う通りだったわ……平和を願うからこそ争いが生まれると…それを知り戦争をしていたの、私の故郷であり救いたい世界のはずの、エフナ大陸と」
フラス
「哀れだな」
ミアナ
「っ!?うるさいっ!!!最後の一人となった私に何ができるか!足掻いた結果よっ!!……………私は精一杯やった…頑張ったはず、だ…けど」
フラス
「けど、平和には程遠く…人の争いは消えなかった。そう簡単に平和が訪れるものか…世を平和にするモノこそ武力だ、力だ、制圧こそ平和への第一歩なのだよ、それ以外ない。しかしここまでよくやった、貴様はここで私と交代だ。私がいない間リヴィア城を守っていただき感謝する、が、死ね」
◆SE抜刀
ミアナ
「っ!?」
ロウガ
「はぁぁっ!」
◆SE剣交
フラス
「っ……いつも横やりを入れるな貴様は」
ロウガ
「いい加減うちのご令嬢をイジメるのはやめてくれないか?フラス」
●場転 間5拍
チダイ
「ん?は?え……俺、寝てた?え?夢?は?…どうゆうこと?何これ…え、こわぁ…俺死んだよな……明らか死んだで?やばっ…臨死体験?ってかここがもぅあの世?でもここ城やん?待って待って無理無理こわいよ?え、何々?」
ユクロ
「わっ」
チダイ
「わーーーーーーーーーっ!!!おまっ!!ちょ…ほんま、お前さー……もぅさぁーーーーあのさぁ!!!俺がビビりで怖がりなん知ってるやろー!?なんでそんなことするーん!!?」
ユクロ
「うん、怖がりなの知っててやった」
チダイ
「まじで性格悪すぎやろぉぉ…もー」
ユクロ
「悪いとは思ってないよ」
チダイ
「いや思えよ」
ユクロ
「それよりお前、この状況どう思う?」
チダイ
「あー、生きてる感じはするけど生きた心地はせんな」
ユクロ
「上手いこと言うね…そぅなんだよなぁ……殺された記憶は鮮明にあるのにここにまた出た感じというか……何とも説明し難いよな」
チダイ
「しかも見てみぃアレ…あの空の色、見たことある?赤やで、夕焼けよりも遥かに濃い真っ赤、もぅ血の色やん」
ユクロ
「雲も動いていないし風もない…あ、もしかしたらさ?死んだあとはこうなるのかな?」
チダイ
「だからさー怖いことをいうなってー…もうちょっとましな考えに至らん?」
ユクロ
「たとえば?」
チダイ
「んー……ここは天国でー実はドッキリでしたーっ的な?もぅ今楽屋ではめっちゃくちゃ美人なお姉さんが千人以上待機しててー」
ユクロ
「あっちに人の気配がする…いくぞ」
チダイ
「話は聞こうね」
●間5拍
ラウト
「っ!?……ここは…リヴィア城……あれ…俺、死んだはずじゃ……手、足…治ってやがる…なんだ……何が起こってる」
ウサチ
「ラぁぁぁぁウ兄ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
ラウト
「うっわっ!!?ウサチッ!?無事だったのか!!よかった!!本っ当によかった!!」
ウサチ
「うんっ!!ラウ兄ぃー!!ラウ兄も生きてたっ!!良かった!!………でも、私…私が何で生きてるのか、わからないの」
ラウト
「ウサもか…俺も何が起こってやがるのか全く検討がつかねぇ…ただ死ぬ間際の記憶しか…俺は奴らに斬られた、首ごといかれたはずだ」
ウサチ
「思い出したくない…けどハッキリ覚えてる…私の目の前でラウ兄は首を斬られた…あの女に」
ラウト
「あぁ…けどこうして生きてお前と会えた…なんなんだ……そうだ、お前は?大丈夫だったのか?」
ウサチ
「うん、大丈夫だけど…大丈夫じゃなかった…。あの後ね…私もあの女に殺されそうになったの…けど、守ってくれたの」
ラウト
「守った?誰がだ?フラスの野郎か?」
ウサチ
「ううん…もう一人の女の子……逃げなって…庇ってくれたの」
ラウト
「……そうか…そうかもな…あいつの剣には殺意が無かったからな…それで?逃げれたんだろ?」
ウサチ
「うん……ラウ兄の頭抱えて必死に逃げようとした…けどね……見たこともない女とすれ違い様に目が合ったの………そこからの記憶がない…多分その人に殺されたんだと思う」
ラウト
「……そうだったのか…誰なんだそいつは……けど、なによりこうしてまた会えたんだ…わからない事だらけだけど、良かった…本当によかった」
ウサチ
「うん…良かった……もぅ戦いはしたくない」
ラウト
「…あぁ」
チダイ
「そうはいかんのがこの世の中やでぇ!おふたりさん!」
◆SE足音
ウサチ
「っ!?」
ラウト
「チ、チダイ…お前も死んだはずじゃ」
チダイ
「せやねん。死んだはずやねん…これはどういうこっちゃ?どんなけ考えてもわからへんねん……なぁ?ユクロはん」
ラウト
「ユクロ!?」
◆SE足音
ユクロ
「あー…君達も生きていたのか…良かったね。そうなんだよねぇ。俺も確かあの男に首を引きちぎられたんだよねぇ……痛かったなぁアレは、死ぬかと思った」
チダイ
「いやもぅ死んでるやんかーい!…ってツッコミも意味わからんことなってるから!非常にツッコミ辛いから誰かはよ説明してぇ?!」
ウサチ
「…ユクロまで……もしかして、もぅここがあの世?死後の世界なの?」
ユクロ
「あー・・・そうかもしれないね?あり得ないもんね?どれだけ考えても無理だもん。うん無理」
ラウト
「だが実際こうして呼吸をして心臓は脈を打っている」
イーア
「考えるだけ無駄、イーアはシマク様の元へ行く」
チダイ
「うっわー…根暗不思議ちゃんまで居るやん…まじでどうなってるんこれ」
ウサチ
「イーアまで…何が起こっているの……ん?何か音が…」
◆SE剣交
イーア
「っ!?王の間だ!!シマク様!!!」
◆SE全力疾走
ラウト
「鬼が出るか蛇が出るかだな、ここでこうしていてもラチがあかねぇ。行こうウサ」
ウサチ
「うん!」
チダイ
「この状況を説明してもらわな夜しか寝られへんなるからなぁ!」
ユクロ
「あー、あのクソ王子居たらまじでぶん殴るっ」
●間5拍
◆SE剣交
フラス
「またお前か」
ロウガ
「また俺だよ」
ミアナ
「ロウガさんっ!!」
ロウガ
「二人でならこいつを圧倒できる、やれるか?」
ミアナ
「待って、待ってください」
ロウガ
「待つ?何を待つんだ…こいつは敵だ、敵の大将だ!俺はコイツに殺された!!」
ミアナ
「きっと今、この現状は戦っている場合では無いんです」
フラス
「ふんっ、お前には戦うことしか頭にないようだな」
ロウガ
「なんだとっ!?」
フラス
「お前は死んだのに何故生きている…俺がそっと撫でただけで首が跳んだはずだが?」
ロウガ
「知らん!俺は今のこの状況を判断し動いている!貴様は敵だ!!」
フラス
「やはり、馬鹿だったか」
ロウガ
「貴様ぁっ!!」
ミアナ
「ロウガさん待って!!貴方も挑発しないで!!!」
ロウガ
「くっ!?……(深呼吸)」
フラス
「ふんっ、貴様達と語る事なぞもぅ無い」
ロウガ
「こっちのセリフだよクソキザ野郎ぅ」
ミアナ
「ロウガさん!…あなたの最後の記憶は…やはりこの男に斬られたのが最後なの?」
ロウガ
「……あぁ、胸糞悪い最後だが、そうだ。師匠…いや、カイユさんと共にコイツと戦っていたのがさっきの事だ…体感的にはな。でも違うんだろ?」
ミアナ
「えぇ、もぅあれから5年が過ぎているわ……」
ロウガ
「5年だと?…どういう事かわからないが···どうりで、お前の顔つきが違うわけだ……苦労したみたいだな」
ミアナ
「えぇ、色々あった…けど今はそんなことどうでもいい……私にも、希望ができた」
ロウガ
「希望?どういうことだ?」
フラス
「希望だと···そんなものどこにある」
ミアナ
「……あなた達は死んだ。間違いなく、私の目の前で…私はそれを見ている。そしてその記憶もあなた達には存在する」
ロウガ
「あぁ」
フラス
「……まさか、お前…何か確信めいた事を知っているな?」
ミアナ
「えぇ…実は───」
◆SE大扉開く
イーア
「シマク様ぁぁっ!!!!!」
フラス
「ん?……イーアか」
ミアナ
「あの子も・・・・・・やっぱり間違いない」
ロウガ
「イーアまでも生きてやがる・・・どうなってる」
フラス
「間違いないとはどういう事だ小娘」
ミアナ
「ミアナだ。いい加減やめてくれないかしらその小娘っていうの」
フラス
「呼び方なんぞどうでもよい、こうなった、思い当たる事を、全て、話せ。」
ロウガ
「貴様どの立場で言ってんだ?!」
フラス
「この立場で言っているが?」
ロウガ
「っ!!・・・・・・はぁ・・・いがみ合っても解決しないか。・・・話してくれミアナ」
ミアナ
「えぇ・・・・・・っ!?」
◆SE走りながら抜刀✕5
イーア
「うぁ゛ぁぁぁ゛っ!!!」
◆SE剣交
フラス
「やめろイーア、今はこの女に手を出すな」
イーア
「フラス!?何故だっ!何故庇う!?この女がシマク様を殺したんだ!!邪魔するなら貴様っ!!」
フラス
「見誤っている、こいつはその妹だ。よく見ろ」
イーア
「っ!?いも・・・うと?」
フラス
「そして…俺の予想が当たっていれば、おそらくシマク王子も生きている。そうだろう?ミアナ王?」
ミアナ
「・・・・・・あぁ」
◆SE剣5本落とす
シマク
「え?・・・生き・・・てる?・・・シマク様が?え?・・・生きておられるの?シマク様が!?うぁ・・・うぁぁぁ・・・う゛あぁあぁ!!」
ロウガ
「どういうことなんだ・・・死んだはずだ皆」
フラス
「やはりか。これは夢や幻を見せられている訳では無いな・・・現実なのだろう。が、こうなった原因があるはずだ。話せ」
チダイ
「俺達も聞かせてもらうで?その話」
フラス
「・・・・・・チッ・・・また厄介なのが増えた」
ユクロ
「聞こえてるよフラス、悪口を口に出して言う癖直せって言ってるだろ?イーアもいつまでも泣いてないでちゃんと話を聞くんだ」
フラス
「ふんっ」
イーア
「うぅ……わかった…シマク様がなんで生きてるのか・・・聞きたいです」
ラウト
「お前には・・・お前には恨みしかない、が。ウサチを助けてくれて…その、ありがとよ」
ウサチ
「ありがとう…えっと」
ミアナ
「ミアナよ……あの時は……姉が迷惑をかけた、すまない」
ラウト
「謝るんじゃねぇよ…油断があったのも正直な所だが…負けたのは俺たちだ。それが戦いだ」
ミアナ
「あぁ…それはこの5年間で実感した。戦争がいかなるものか、争いが如何に止められないものか…戦争をすればするほど平和が遠ざかっていった」
ウサチ
「うん、嫌な世界だよね……でもね、だからこそフラスは全大陸の制覇に乗り出したんだよ」
フラス
「ウサチ、よけいなことを言うな。そんなお綺麗な話ではない」
ラウト
「だからこそ俺たちはリヴィアに手を貸している…まぁ俺は元々リヴィアの傭兵だがな」
ウサチ
「本当なら敵対するぐらい憎いんだけどね…私は」
チダイ
「あのさー、そろそろ思い出話はやめにせんか?……まぁ、俺も?このお嬢ちゃんには?めっちゃくちゃ腹立ったけどな?今この場でまた蹴り倒したいけどな?我慢してんねんでこれでもっ!!」
ユクロ
「お前が一番血の気が多いな」
チダイ
「まぁ、この嬢ちゃんに殺されたわけやないけどな」
ロウガ
「なら今すぐその右手を下ろせ」
◆SE構える
チダイ
「チッ……冗談のわからん男やでほんま…はいはい!わーってますわーってますよー?聞きます聞きますー聞いてからちゃーんと見定めてシバきますー」
ユクロ
「あーそういえば俺もだなー…あのカマ野郎だけはまじで許せない」
ミアナ
「…カイユの事か?」
ロウガ
「っ!?……そうか···おいミアナ…もしやカイユさんも」
ミアナ
「うん……おそらく」
ロウガ
「ぅっし!俄然やる気が出てきたぜ…」
フラス
「……邪魔が色々入ったがそろそろ本題に入ってもらおうか。この異様な赤い空の色、我々以外に城の者がいない事。何故死んだはずの者が生き返りこうして集まっているのか…不可解なことが多すぎる」
ウサチ
「…どれだけ考えてもわかんないよね」
チダイ
「まぁあんさんの頭で考えれんのはお花畑ぐらいやろうなー」
◆SE蹴る
ラウト
「お前、蹴るぞ?」
チダイ
「蹴ってから言うのやめてくれる?ほんでイーアはん?足噛むのやめてくれる?」
イーア
「ウハをいひめるやつ許はない」
ユクロ
「ほんっと緊張感がないなぁ君達は…まぁいつもの事か」
ロウガ
「ミアナ、恐らくだがリヴィア七騎士団が生き返った事にも意味があるんだろ?じゃなきゃこんな連中・・・デメリットの方が大きすぎる」
フラス
「お前は質問するなややこしくなる」
ロウガ
「なっ!?······続けろ」
ミアナ
「この状況は…恐らくさっき私が会った男の仕業…名前はエンスと言っていたわ」
フラス
「…知らんな」
ラウト
「同じく」
ウサチ
「ウサも知らない」
イーア
「知るはずがない」
チダイ
「役立たずばっっっかりやなぁ!…まぁ俺もしらんねんけど」
ユクロ
「あー···今の七騎士団は頭の悪い連中が揃ってますからね…仕方ありませんね。僕は知ってますよ?···エンス、それは古の魔女の名前だ」
ミアナ
「っ!?…そうよ…そう言ってた……魔女だと」
ユクロ
「……それに会ったというのか?……その魔女は実在するのかどうかさえわかっていない……この世界を作ったと書かれていたり、あのラニアガスの種を作ったのも魔女だと言う記録もある」
フラス
「あの…種をか」
ロウガ
「はっ、あんな狂った力なら願い下げだ」
フラス
「それに簡単に負けた奴は黙っていろ」
ロウガ
「きさっ!!……ふぅぅぅ続けろ」
ミアナ
「うん···あの魔女は···私が一番の悲観者だと言った。全ての命が消えていく刹那をその目で見ているからと」
ラウト
「俺たちが死んだ状況を見ていた…ってことか?」
ミアナ
「わからない……けどアイツは私の父親やカイユの名前も…キギァ······いえ、アキミさんの名前まで知っていた」
イーア
「シマク様のことはっ!?」
ウサチ
「絶対言わないと思うよ」
チダイ
「……意外と酷いツッコミやね今の」
ミアナ
「アイツはこの世界を取り戻したいと言っていたわ…この世界は平和になりすぎたと……私には意味がわからなかった」
フラス
「…ほぅ…これで平和になっていると」
ウサチ
「どこが…どこが平和なの…この世界の」
ラウト
「ウサ…」
ミアナ
「でも、本当の現実ではないと言っていたの…そこからが一番わけがわからなかった」
ユクロ
「わかる範囲で良い話してくれ…魔女の話が聞けるなんて今まで知らされてきた歴史が変わるぐらいだ···人が外界の世界を知る一つになるかもしれない」
チダイ
「ユクロはんは歴史にも興味がおありですからなー…わては遺跡や異質な建造物にしか興味ないわー知識は金にならんと意味あらへんよ」
ユクロ
「その欲望の為の異質な知識も、必要になるかもしれないな」
チダイ
「は?まじかいな」
フラス
「続けろ」
ロウガ
「おい言い方っ……ふぅぅ」
ミアナ
「その方達以外の人の存在を消したと、そして私に関連する大会…恐らくヘッドハンターズだと思うけど…私が最後に姉さんを殺すまでの…5日間……私に関連した人を出現させたと……敵も味方も、と」
フラス
「…なるほど」
チダイ
「はいでましたー!フラスのよくわかってないときの「なるほど」…はーーー!」
イーア
「黙って」
チダイ
「はい」
ユクロ
「そんなことまでできてしまうのは魔女のほかに考えれない…実際こうして僕たちは生き返り、空は赤くなり雲は止まり風も吹かない」
ウサチ
「魔女ってそんなことまでできてしまうの?」
ラウト
「みたいだな…だから魔女と呼ばれているのかもな」
ユクロ
「他には?他には何か言っていなかったか?何でもいい」
イーア
「すごい…珍しいね、こんなに食いつくユクロ」
ユクロ
「当たり前だろ。伝説の存在、いや、想像、架空の人物とまで言われた異狂人、謎とされてきた歴史その物の話が聞けるんだ···これ以上は無い」
フラス
「で?他には?」
ミアナ
「最後…誰かに命令するように言っていたわ。「ラニス・アガス」…と」
ラウト
「ラニ…アガスではないのか?」
ウサチ
「他にも魔女が近くに居たってこと?」
ミアナ
「わからない…その瞬間空気が変わったの」
ロウガ
「どうなんだユクロ」
ユクロ
「うーん…魔女は複数居たとはどこの古文書にも書かれていなかった……その魔女の配下、手下の者と考えるのが妥当だけど……ラニス、アガス…ねぇ」
フラス
「完全にあの種の名前だな」
チダイ
「俺もよーしっとるわその種…世界樹の根っことか、ドラゴンの心臓とか色々使って作れる超人間強化薬やろ?本物は城買えるぐらいの価値があるって噂やったけど…俺が見てきたんは全部ニセモノやったわ。偽物喰った人間は全部狂って破裂したわ」
ロウガ
「それは偽物だからだ、本物はコイツが喰いやがった」
フラス
「…」
チダイ
「……まじかよ」
ユクロ
「フラス…そんな物持ってたの?後遺症は?何もないの?」
フラス
「喰ったことは認めるが……もぅその力は感じられない」
イーア
「死んで…リセットされたのかな…」
ラウト
「ともかくこの嬢ちゃんの言うことが本当なら、生き返らされた事に意味があるはずだ…あとは、信じるか信じないかだ」
ミアナ
「…私が魔女の話を持ち出して嘘をついているとでも?」
ラウト
「無いとは限らないだろ…この状況下だ、命が欲しくて言った嘘かもしれねぇ」
ウサチ
「そんな…ラウ兄、この子は嘘ついてないよ…辛く悲しい眼をしてるもの…」
ユクロ
「俺は信じたい派だな…魔女の話が聞けて嬉しいのもあるけど」
チダイ
「どっちゃでもー?…こいつ殺したところで何もならんやろうに」
イーア
「ひとつ…聞きたい…娘」
ミアナ
「何?」
イーア
「シマク様は…何故リヴィアにいない」
フラス
「っ……そういえばそうだな」
ラウト
「気にもしなかった」
チダイ
「一応王子なんやけどなーやっぱ嫌われ者はこうなる運命なんやなー」
◆SE蹴る
イーア
「おい、蹴るぞ?」
チダイ
「蹴ってから言うのん流行らさんといてくれる?」
ミアナ
「わからない……死んだ場所での蘇りと思っていたんだけどそれも違うみたいだ…ここにはカイユも姉さんもいない……」
ウサチ
「想い、だと思うよ」
ミアナ
「想い?」
チダイ
「重力のことやで」
ロウガ・ラウト
「黙っていろ」
チダイ
「あはいさーせん」
ウサチ
「その人の想いがそこで強ければそこで生き返るのかもしれない…昔、教会の皆が教えてくれたの…人の想いは、その人の想いの強い場所に宿るのよって」
ラウト
「ウサ…」
ウサチ
「だから多分……シマク王子はその想いが強い場所に居るんじゃないかな?」
イーア
「ウサ…頭イイ……でも、シマク様の想いが強い場所…わからない」
フラス
「ふん…そんなもの簡単だ」
ユクロ
「わかるのか?」
イーア
「どこなの?」
フラス
「エフナ大陸だろう…王子はこっちの大陸にはもぅ興味がなかった…ずっと外界や向こうの大陸の事を話していたからな。最後もヘッドハンターズで死んだと聞いたからな、間違いないだろう」
ロウガ
「そうか……なら師匠もそこに!……待てっ!!……ミアナ…まさか!?」
ミアナ
「えぇ…そのまさかよ。…間違いない………父さん、デスタもそこに居る」
続く
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