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後日…
たったいま、ここトウキョウの自宅にてクスノキファミリーは、あのゲオルゲ・ラーラ・シュタイン博士逮捕の報を、テレビのニュースで知りました。
容疑は、なんとティア星人の密売行為。その後、無事にティア星に戻ったユアさんの(同博士に命を狙われたという)訴えにより、地球の国連が調査した結果、それが発覚した。とのことです。
そう、なにを隠そうゲオルゲ博士は、表向きはティア星人の保護を訴えながら、裏では彼らを密かに売っていたのです。
で、あの日あの時クスノキファミリー達が追われたのは、あえて言わずとテイトが、その売るべくティア星人たちを見てしまったから。ゲオルゲ博士ときたら、ユアさんよろしく同星人たちが救いを求めて来る度、ああして眠らせた上で確保し、裏ルートでもって売りさばいていた訳です。
動機については、自身の研究、設備費用欲しさに。とのことで…初めこそゲオルゲ博士は、本当にティア星人を保護していたらしいのですが、いつしかお金に目が眩んでしまったようです。
ええ、ユアさんも危ないところでした。そこは、テイトの怪我の功名といったところでしょうか。
「うむ〜、まさかあの博士が〜…」
「ちょっとショックです〜」
「ユアさんお手柄ですわ〜」
リビングにて、それぞれソファに座った姿。クスノキファミリーが口々に言っています。
おや、そこで突然テレビの画面が切り替わったと思えば、
『クスノキファミリーの皆さんっ…』
あらたに映し出されたのは、あのゴン太を胸にしたクレオパトラさんのお姿ではありませんか。
電波ジャックの傍ら、ごごごごー…って、この上空から降下してくるドンチャリンコン号を目に、外では皆が逃げ惑うという状況下、今度は何用でしょうか。
『…妖怪けむりが無くなってしまったので、もっとくださいなー』
ずどどどっ…!
クスノキファミリー、一斉にソファから転げ落ちるの体。
きょうも平和な1日になりそうです。
人形彼女・スペース人形ファミリー編 おしまい
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