19:いざ、コボルド狩りへ!
朝になり起きた私は、今日も冒険者活動をする為に朝ごはんを食べた後、冒険者ギルドへ向かう事にした。
それと、今日はエリナさん達も依頼を受けたらしく、しばらくの間は夕方くらいまで会う事が出来ないとシスターさんが伝言を貰っていたようだった。
つまり今日は私が本当の意味で一人で冒険者として活動する日って事だね。
そして、前リスナーさんからギルドなんかをしっかり見てみたいと言われていた事を思い出した私は、スキルを発動させた状態でギルドへと入って行った。
今日も一杯稼いで、リサやシスターさん達と美味しい物でも食べたいな。
♢
:おっ、リナちゃんおはよう! 今日はギルドから配信かな?
リナ:おはようございます! 今日はギルドで依頼を確認していこうかと思います!
:どんな依頼があるのかな?
「えっと、今日は⋯⋯あっ、コボルドが増えて来ていると報告がある為、コボルドを五体倒す毎に銀貨一枚を報酬で支払う、か」
コボルドであれば昨日の私の戦いを考えると難なくこなせそう、浅めの場所ですぐに逃げられるようにすれば問題は無いかな?
:コボルドの討伐にするの?
リナ:はい!昨日の感じだとおそらく問題無いと思うので⋯⋯
:応援してるよ!
リナ:ありがとうございます!
「よし、じゃあ今日はコボルド狩りをしながら薬草があったら採取する感じで行こう!」
私は一人そう呟きながら今日の予定を決めた。
ギルドを出た私は昨日行った森へと向かう道中、配信にいるリスナーさんとお話しながら向かっていた。
:初見です、異世界ってマジですか?
:マジだよマジ、今からコボルド倒しに行くらしいよ
:コボルドってあの犬みたいな人形の?
:そうそう
リナ:初めまして!コボルドは大体そんな感じで合ってますよ!
:おおう!? どうやってコメントしてんだこれ!?
:リナちゃんのスキルの効果らしいよ
:スキル便利すぎない?
リナ:逆に言えばこういう事しか基本は出来ないんですよね⋯⋯
:ちなみにスパチャ送るとこっちの世界の食べ物とかを買ったり、ポイントが貯まってそのポイントでスキルを取得出来るんだってさ
:マジで?じゃあこんなスキル取って使って欲しいってのがあったらお金出したら使ってくれるん?
:スキルが存在するかはリナちゃんに調べてもらわないとだけど、リナちゃんがOKなら良いんじゃないか?
リナ:私は大丈夫ですよ?
:重力魔法とか憧れない?
:それ基本ユニーク系統だろ⋯⋯
重力?魔法と言うのを取得して欲しいと言われた私は存在するのかを確かめる為に検索機能を使って検索してみた。 すると本当に存在していた。だけど取得のポイントが異様に高い⋯⋯
リナ:え、えっと⋯⋯ありました⋯⋯けど
:どうしたの?
:やっぱポイント高い?
リナ:10000ポイントだそうです、LV1で⋯⋯
:ファーwww
:それって実際いくらなの?
:100万
:マジ?
:マジだよマジ
:100万かぁ⋯⋯マジで見れるなら出してみたいわ、これからも活用してくれるわけでしょ
:出せるの!?
:まぁ、こんな時間にいる時点で普通では無いでしょ
:まぁ、俺は在宅勤務始めたばかりの元ニートだけど
:俺は投資家だ、金だけはあるんだけどさ、日常に刺激が無いんだわ
:金持ってる人の悩みはわかんないわ⋯⋯
:ま、無理に理解する必要はないべ
:そうだな⋯⋯
二人が何やら盛り上がっていると思っていると、森の近くまでやってきた。
リナ:着きました!コボルド倒してお金いっぱい稼ぎたいと思います!
:リナちゃん頑張って!
:頑張れー
そして私は森の中へ入ると全ての感知系スキルを駆使しながら、安全に倒せそうなコボルドを探し始めた。
「うーん、多いって言われてた割にはあんまりいないような気がする⋯⋯」
私は疑問に思いながら森の中を探索しつつ、薬草を採取する。
「昨日一気に採取しちゃったから流石に今日は薬草少ないなぁ⋯⋯もっと深くまで行ったらあるんだろうけど、危ないしやめておこうっと」
無理をしたら意味が無いし、命あっての物種だからね。 それに、私が死んだらリサが悲しむから⋯⋯
そんなこんなで採取しながら探索をしていると不意に存在感知に何かが引っかかった。
「ん? あっちに⋯⋯いるのかな」
反応のあった方へ走ってみると、近付くにつれ、その反応は一気に増えて行った。
「いや、この数何かおかしい!?」
私の存在感知には数十にも及ぶ反応が。
「群れってやつ⋯⋯かな」
アルスさんに聞いたことがある気がする。
コボルドやゴブリンは上位種がいると群れとなって行動する事があるって。 その場合かなり厄介な相手になるから、一人で戦うのはやめた方が良いって言ってたよね。
リナ:凄い数の反応があるので一旦街に戻ろうかと思います
:どうしたの!?
:何があったん?
リナ:コボルドかゴブリン辺りが群れを作ってるみたいで、この場合は戻った方が良いって言ってました!
:確かに、それは危険だね
:戻ろう、命大事に
リスナーさんも戻った方が良いと言っているのもあって私は街へ戻ろうとした——その瞬間。
「クソッ!? 数が多すぎるッ!」
「リア大丈夫!?」
「アタシは大丈夫だ! 早く魔法を頼む!」
「わ、わかったわ!」
群れのいる方向から人の声が聞こえた。
「だ、誰かいる⋯⋯?」
「ぐ、やべっ」
「リア!?」
絶望するような声が私の耳に聞こえて来た。
ここで逃げれば私は助かるだろう。
でも、この声の主を見捨てたら、彼女達は⋯⋯
「わ、私はどうすれば⋯⋯」
出来れば助けたい、だけど⋯⋯死ぬわけにはいかない⋯⋯私はどうすれば⋯⋯
そんな時、コメントに目を落とすと——
:リナちゃん、スパチャポイントで魔法を取得しよう
「そうか、私には、異世界配信のスキルが⋯⋯」
あの群れを倒せるような魔法を⋯⋯覚えれば⋯⋯きっと。
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