【完結】ユリとカトレアと俺~幼馴染の紹介してくれた彼女~

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

01_幼馴染の紹介してくれた彼女

「あー、カノジョほしいなぁ、誰か紹介してくれよ」


「……ホントに?」



今思えば、この幼馴染との何気ない会話が、これから俺が一生忘れられない恋愛をする全てのスタートだった。






それは、何気ないファミレスでの会話。


俺は、紙山智成(かみなりともなり)。

高校2年。

彼女なし。


目の前のこいつは、幼馴染の中尾百合子。

同じ高校になったばかりか、同じクラスとか、偶然にもほどがある。


異性だけど、ノリもいいし、話しやすいからすごく助かる。

ただ、俺の好みとは外れている。




俺は、バリバリのお嬢様系が好きで、髪の毛は絶対ロングがいい。

ちょっとためらいがちに話す感じだったらもっといい。

もちろん、かわいい子希望。




一方、俺の幼馴染様は、スポーツ少女って感じ。

髪はショートでノリがいい。

快活に話す感じは誰からも好印象だろう。

かわいいと言えばかわいいのか?

もはや家族みたいなものなので、そこら辺は何とも言えないところかな。





山盛りポテトは食べ終わったので、ドリンクバーでジュースのお代わりを注いできたところ。

いくつかの種類を混ぜても、カルピス系を1種類入れておけば、はずれにはならないことをマスターしたところだ。



「ちょっと、智成(ともなり)、それなに入れてきたの?紫になってるじゃん!」


「山ブドウと、コーラ……」


「多分それ失敗だと思うよ?」


「仕上げにレモンを絞ったからあっさりしているはず!」


「ジュースであっさりって……」


(ゴクゴク)「うわっ!まずっ!ユリ飲む?」


「自分で不味いって言っといて、それを飲ますか!」


「ほら、不味いと言われると、どれくらい不味いか気になるじゃん?」


「絶対嫌!」



そんな感じだったけど、結局一口飲んで『まずっ』って言ってた。

ユリはノリがいい。


ストローは別に準備してやろうと思ったのに、『そんなの気にしない』と言って、俺が使ったストローのまま飲んでた。

こいつは、こういうとこがある。

それがクラスでも人気で、ユリのことを好きなやつを何人か知っているほどだ。

こいつが男だったらよかったのにと何度も思ったことがある。


ただ、ジュースはよほど不味かったのか、飲んだ後顔を真っ赤にしていた。

そこまでじゃないはずなんだけど……






「んで、カノジョ欲しいって話だけど」


「ああ、智成どういうのが好み?」


「黒髪ロングで、清楚な感じで、お嬢様っぽくて……」



俺が理想を語っている間、ユリは自分のショートの髪の毛先を触りながら聞いていた。



「そんな感じ!どうだ?夏休み前に紹介できそうな友達いない?」



ユリは女子にも人気なので、クラス内だけではなく、部活の先輩、後輩にも好かれている。

交友関係が広いので、彼女を紹介してもらう様に頼むには最適の存在なのだ。



「めちゃくちゃぴったりなのが一人いるわ……」


「まじ!?かわいい!?写真ないの!?」


「私が付き合いたいくらいかわいい!写真は残念ながら無いわね……」


「女子同士の『かわいい』はあんまり信用できないけど、ユリが付き合いたいなら間違いないな!ぜひ紹介してくれ!」


「いいよ。来週の日曜とかにデートのセッティングしとくけど、それでいい?」


「まじ!?話が早い!助かる!うわー、何着て行こうかな?ユリちょっと一緒に考えてくれよ!」


「智成はファッション・センスが終わってるからねぇ」


「バカ、俺が最高にカッコイイ服を選んだんだよ!」


「あの訳のわからない英単語が書かれたシャツとか、上下黒とか絶対やめた方がいいから!」


「じゃあ、どんなのが良いのか、店で選んでくれよ!」


「ユリちゃんのセンスを見たら驚くからね!」


「お!じゃあ、ユリが惚れるくらいの服を選んでくれ!」


「わたっ!私は……服なんかどうでもいいのよ。どうでも」



何故か急に失速するユリ。

あれ?服の話ってそんなにダメな話題だったっけ?

まあ、いいや。

服を選んでさえくれれば。



「あ、ねえ、その子の名前は?」


「加藤玲愛(かとうれあ)ちゃんっていうの」


「おお!いかにもお嬢様っぽい名前!カトレアちゃんかぁ」



まだ見ぬカトレアちゃんに思いを馳せる。



「ばっかじゃないの!?もう勝手にあだ名付けちゃって!」



テーブルの下で靴を蹴られた。



「しょうがないだろ!俺の最初の彼女になるかもしれないんだから!気になるなぁ、カトレアちゃん!」


「鼻の下伸びてるよ!玲愛ちゃんめちゃくちゃいい子なんだから、変なことしないでよ!?」


「せんわ!なあ、そうと決まればこんなとこで不味いジュース飲んでなくて、すぐ服を買いに行こうぜ!」


「しょうがないなぁ、智成はぁ……普通の女の子だったら、そんなに急かしたら絶対引かれるからねぇ!?」


「ユリは普通じゃないだろ!行こう!」


「もう、しょうがないなぁ……」





ユリがもっと俺の好みだったら最高だと思った時はあった。

でも、ユリとは小さい時からの付き合いだし、良くも悪くも新鮮味はなかった。


俺は恋愛をしてドキドキしたかった。

理想の彼女と色々な思い出を作っていきたいと思っていた。


あとは、ユリに彼女を紹介してもらう話になったとき、ユリ以外の子を勧めて来た時点で俺はユリの恋愛対象から外れているのも理解した。


つまり、そういう事なのだろう。

俺とユリは、お互いはお互いが恋愛対象ではないってこと。

まあ、少し寂しい気もするけど、ユリとは馬鹿話ができるヤツとして幼馴染兼友達として一緒にいられれば満足だ。





◇◆◇◆◇

そして、その日曜日になった。

場所は、ターミナル駅の巨大モニター前。

俺は『カトレアちゃん』の写真も見せてもらえないまま、待ち合わせに向かった。


ユリからは『行けば大丈夫』と言われている。

全然意味がわからない。


言われた通りに、モニター前で待っていると、声をかけられた。



「紙山智成くん……初めまして、加藤玲愛です」



めちゃくちゃ美少女から声をかけられた。

黒髪ロングで、お嬢様っぽい佇まい。


声はかわいくて、少し控えめな感じ。



「あの……」



不安そうな顔。

しまった、見とれてしまっていた。



「あ、ごめん。初めまして!紙山です」


「加藤玲愛です」


「びっくりした!予想よりもかわいい子だった」


「そ、そんな……ありがとうございます」



カトレアちゃんは、はにかんだような笑顔をした。

俺は心臓をぎゅーっと締め付けられた。

かっ、かわいい!



「服もかわいいですね!」


「あっ、ありがとう…ございます」



カトレアちゃんは真っ赤になってしまった。

フリルの付いた白いシャツ。

黒くて細いリボン、スカートは柄の入った黒いスカート…たしか、ユリが『ツイード』っていうんだって教えてくれたやつ。


『お嬢様の夏コーデ』なんてタイトルで雑誌に載っていてもおかしくない完璧さ。

もちろん、モデルの方もそれくらいの完璧さがあった。



「あの……今日は…その、よろしくお願いしましゅ、あっ!お願いします」



か、かわいい……ユリはこの子のどんな弱みを握ってこの場に連れて来たのかわからないが、俺がこれまで見てきた女の子の中で最も可愛いんじゃないだろうか!?



「じゃ、じゃあ、行こうか」


「はい、よろしくお願いします」


「こちらこそ……ユリから何か聞いてる?」


「ユリ……あ、中尾さん!いえ、『行けば大丈夫』って言われました」



俺と同じかよ!

一応ユリがデートコースを考えてくれた。

そして、それを紙に書いて渡してくれた。


これをカンぺにエスコートしろってことだろう。


でも、俺はそれをそのまんま加藤さんに見せた。



「ごめん、ユリがコースを考えてくれてさ。俺はまだ加藤さんのことをあまり知らないから、あんまり気が乗らないようだったら、ちょこちょこ変えようと思うんだけど……」



カトレアちゃんは、俺が持っている紙を真剣に見てくれていた。

顔がちょっとだけ近い。

目が大きくて、まつ毛が長い。


こんなかわいい子がユリの友達にいたとは……


「映画に行って、食事をして、そのあとボウリングって、盛りだくさんですね!」



カトレアちゃんは、こっちを見ると、すごく嬉しそうな表情で言った。

あああ……かわいい!



「そうだね」


「私あんまり体力がないので、最後のボウリングの時疲れていたら、相談させてください……」


「いいよいいよ!ご飯食べながら相談して決めよう!別にノルマって訳じゃないからさ」


「ふふふっ、デートでノルマって……紙山さんっておもしろいですね」



カトレアちゃんって可愛いですね!



そんな感じで、好調にスタートしたデート。

お互い初めて会ったということもあって、若干はギクシャクするところはあったものの、ユリのデートプランのお陰でかっこ悪い思いもしなくて済んだ。



気付いたことに、所々で加藤さんは俺のことを気遣ってくれていた。

健気だし、すごく良い子。


かわいいし、こんなにいい子だと逆に何かすごい問題が裏に隠されているんじゃないかと疑いたくなるくらいだ。


実は、朝の待ち合わせの時、ユリが『実は私でしたー』って来るパターンも想像しなかったわけじゃなかった。

でも、カトレアちゃんが来てよかった。




流行りの恋愛映画を見て、その後の食事を終え、それぞれ飲み物を飲みながらさっきの映画の話をしていた。



「それで、カトレアちゃんは……あ、しまった!」


「……」


「ごめん、勝手にあだ名付けちゃって……」


「ふふふ、いえ、『カトレア』でいいです」


カトレアちゃんが嬉しそうに言った。



「どうしたの?」


「実は……小学生の頃は名前でよくいじめられたので……」


「あ、じゃあ、よくないことを思い出しちゃった?ごめん」


「あ、いえ!紙山さんにそう呼んでもらえると、なんか良い気がしてきました……」


「あ、いや……」



なんかお互いテレまくった。



「多分、小学生の頃の虐めてきた子も、カトレアちゃんがかわいいから気を引きたかったんじゃないかなぁ?」


「そうだったんでしょうか?ただ嫌だった思い出だけしかなくて……」


「その時に出会ってなくてよかった。俺も絶対ちょっかいかけてると思うし」


「あ、じゃあ、私これからいじめられちゃうんですか?」


「こんなかわいい子をいじめたら、俺世間から抹殺されるよ」


「そんな、かわいいなんて……」


「いや、絶対かわいいでしょ!カトレアちゃんモテるよね!?」


「そんなことありません。全然モテないです!」



なんかすごく慌ててた。





結局、ボウリングは諦めた。

思いの外、話が弾んでボウリングに行く時間がなかったのだ。


でも、初めてのデートにしては、色々話せたし、なによりカトレアちゃんかわいかったし、いいデートだった。


カトレアちゃんを駅まで送ったら、俺は一目散に帰って荷物を全部部屋(うち)に置いた。

そしたら、すぐにマンションの隣の部屋(いえ)のチャイムを押した。



「はーい」



いつもの様に、インターホンから声が聞こえた。



「おれー」


「はいよ」



出てきたのは、ショートカットのユリだ。

今日のデートの報告をしに来た。

いつもの様に、ユリの部屋で、今日のデートについて色々話した。



「ユリ!でかした!カトレアちゃんめちゃくちゃかわい!!」


「でしょう!?智成にはちょーっともったいないくらいだよ」


「お前の中の俺の評価低すぎ!」


「あはは」


(ピコン)ここで、ユリのLINEにメッセが届いた。



「あ、玲愛ちゃんからだ!」


「え!?まじ!?なんて!?」


「んーっと……今日は楽しかったって。お!やったじゃん!」


「ああ!ユリのお陰だ」


「わ!お付き合いしたいって!」


「え!?まじ!?俺も俺も!絶対付き合いたい!」


「じゃあ、そう伝えてていい?」


「頼む!いやー、夏休み楽しくなりそうだわー!」


「よかったね、智成」


「おう!ユリも誰か紹介しようか?どんなやつがいいの?」


「えー、私はいいや……そういうキャラじゃないし」


「お前だって十分かわいいんだし、クラスでも人気あるだろ?」


「それって、玲愛ちゃんの次って感じでしょぉ?」


「えへへへへ、それを言うなって!」


「私は、私のことを一番に好きになってくれる人がいいなぁ」


「そんなやつ、いくらでもいるって!」





■□■□■

夏休み前、俺とカトレアちゃんは急激に仲良くなっていった。

俺は初めてのカノジョに完全に舞い上がっていた。


朝はいつもより早く出て、カトレアちゃんの家の近くで待ち合わせて一緒に学校に行った。

話してみれば、クラスは1組と7組で離れているものの、同じ学校だった。


休み時間ごとに会いに行った。

昼休みは一緒に弁当も食べた。

カトレアちゃんのクラスの席を借りる手前、7組のやつとも仲良くなった。



「加藤さん、明るくなったよねぇ」


「そうかなぁ。ありがとう」


「きっと、この騒がしいカレシくんのお陰だよね!?」


「そういう話は俺のいないところで話してくれ!」


「だって、いっつも加藤さんと一緒だから、いない時を探すのが大変」


「「//////」」



このカトレアちゃんの友達に揶揄われて、二人ともテレまくった。

まあ、こんなどうでもいい話ができる程度には、あっちのクラスでも仲いいやつはできて、俺の交友関係も広がった。



体育の時は、たまに顔を合わせるようだ。

ただ、コートは別の場所を使うので、遠くに彼女がいるのが見える程度。


でも、目があえば腰のあたりで控えめに手を振ってくれていた。

それでも、隣の子に見つかって、揶揄われているようだ。

彼女はクラス内でも友達関係は良好みたいで、知れば知るほどいい子だと思った。




ちなみに、帰りはカトレアちゃんの家まで送って行ったりして、いつも一緒だった。

家に帰ってからは、メッセを送りあったりして、俺の24時間は完全にカトレアちゃん一色だった。



夏休みになっても、俺は浮かれてまくっていた。

自分でもわかるほどに。


毎日のようにカトレアちゃんと会っていた。

そう、この頃には、呼び名も『智成くん』、『カトレアちゃん』になっていた。




夏休みに入ると、カトレアちゃんは勉強するというので、一緒に図書館に行った。

図書館ではあまり話せないけど、顔を見て、一緒にいるだけで楽しかった。


カトレアちゃんは裏なんて全然なくて、俺のことを好きでいてくれる。

俺もカトレアちゃんが好きだと感じていた。

これが『恋愛』なのだと思っていた。


俺は柄にもなく、カトレアちゃんに髪留めをプレゼントした。

どれがいいのかわからないので、ユリに相談して選んだやつ。


カトレアちゃんはすごく喜んでくれて、いつも付けてくれていた。

これもまた俺の嬉しさを湧き上がらせていた。


唯一の気になる点と言えば、キスどころか、手もつなげていないことくらいか。

こういうのは徐々に進めていけばいいよな、なんて思っていた。





俺が浮かれていたので、ユリの異常に気付くのにすごく時間がかかった。

いつの間にかユリが笑わなくなっていた。

これまでにもカトレアちゃんのことを相談したりはしていた。


会えばユリは笑顔でいつもの調子だったけど、なんとなくキレが悪いとは思っていた。

ただ、それが些末なことと切って捨てられる程度には、俺は浮かれていて、気づいてやることができないでいた。


俺の知らないところで数字で影響が見て取れることが起きていた。

ユリ陸上のタイムがどんどん落ちていたのだ。

彼女は、インターハイを目指していたのに、タイムが遅くなっていた。



ユリの変化に気付いたのは、ユリのお母さんから言われてだった。



「最近、あの子なにか悩んでるみたいで……智成くん、聞いてあげてくれない?」


「あ、はい」


「ごめんね、私が聞いても『なんでもない』しか言わなくて……」



ユリはそんなやつじゃないはずだ。

なにがあったんだろう?



この日もカトレアちゃんとデートの日、待ち合わせが昼ごはん後にしていたので、朝からユリに会っていた。

部屋では、ユリがベッドの上に座っていて、暗い顔をしていた。



「ユリ、どうしたんだよ?最近、陸上調子悪いらしいじゃん」


「うん……かっこわるいなぁ」


「別に俺にかっこつける必要ないだろ?なんかあったのか?俺に何かできる?」



ユリが泣き始めた。

いつも笑っているユリがボロボロ涙を流している。


俺はここにきてやっと事の重大さを理解した。



「ど、どうしたんだよ!?」


「……自分の気持ちに気付かなかった」


「どういうこと?」


「玲愛ちゃんには、相談されてたし、断れなかったの」


「俺のこと?」


(コクリ)とユリが頷いた。


「玲愛ちゃんかわいいから、智成とはうまく行かないと思ってた」


「失礼だなぁ」



出来るだけいつもの調子で話した。



「だけど……智成と玲愛ちゃんが仲良くなって…どんどん私のことを忘れちゃって……」


「そんなことないだろ!?」



(ガバッ)ベッド横で立ったままだった俺にユリが抱き着いてきた。



「智成がいなくなったら、嫌だよぉ!私の前からいなくならないで!」


「いなくならないよ」


「好きなの!大好きなの!」


「ああ……」



俺は、ユリを抱きしめてなだめた。

こんなむき出しの愛情を寄せられて、心が動かない訳がない。


いつも男友達と変わらないように接してきた幼馴染のこんな姿を見て、俺はこいつのことが大事だと気づいた。

昔からずっと一緒だった。


こいつをおいて他にカノジョとか……


ただ、カトレアちゃんとはもう付き合い始めている……

とにかく、今は、ユリを抱きしめて落ち着かせた。



「ごめん、智成……」


「いや、気にするな。俺とお前の仲だろ?」


「夕方には帰ってくるから、また話そう」


「うん……待ってる」





家を出たら、約束の時間が迫っていた。



「ヤバい!遅刻だ!」



どう考えても、15分?いや、30分は遅れる。

ダッシュで行けば、15分くらいでなんとなるか!?


こういう時って、LINEするのももどかしい。

とにかく急いだ。

心の加速装置のスイッチをONするために奥歯を噛みしめた。

まあ、付いてないけど。




ツイてないときは、悪いタイミングが重なる。

道に人がいっぱいで、約束の駅前になかなかたどり着けない。


待ち合わせは、いつものスクリーン前。

ただ、なにか人だかりができている。

近づけない。



「何かあったんですか!?」


「自動車が突っ込んだらしい」


「え!?」


「いま、何人か救急車で運ばれていったみたいだよ」



急激に嫌な予感がする。

慌ててメッセージを見た。



『遅れてるのかな?慌てないでいいからね』



慌てて電話するが、つながらない!

全身の血が逆流するのが分かる。



「カトレア!カトレアちゃーん!」


周囲を名前を呼んで回るが返事がない。

そして、カトレアちゃんも見当たらなかった。


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