前世について気づいた
今日は2月7日で『フナの日』だという。フナ関連の何かの団体が決めたのだろうと思って調べてみると、鮒の甘露煮の団体であった。土地の名物の普及のためらしい。
2月の今頃は、鮒寿司なども食べ頃のシーズンで旨いという話だ。
鮒といえば春を迎えた情景を歌った童謡にも登場するから、ちょうどこの季節に2月7日が『フナ』と語呂合わせ出来るのはいい巡り合わせということだろう。
それでフナというものを生まれて初めてネットで調べた。ネットでつらつらと見ていて目を引いたのが、ギンブナという種類のフナである。
この種類は日本各地に広く生息するということで珍しくないようだが、その生態が珍しい。雌雄存在するが、ほとんどは雌であり、雌のみで繁殖する(雄は必要ない)。厳密に言うと雄は必要だが、受精するのでは無い。だから、雌が生む卵から生まれてくる子供は、『100%雌のクローン』なのだという。
しかもこのギンブナの卵に雄が関わるのは、ギンブナの雄ではなく、他種の鮒の雄である。繁殖行動によって『他の種類の雄』の精子が放出されると、ギンブナ自身が生んだ卵に、ある種の受精とは違う刺激が加わって完了となるのだそうだ。
これは全く複雑怪奇とわたしは感じた。
自分たちの種の後継者を残すために必要なのは自身の種の雌だけであり、繁殖に他の種類の雄だけを必要としているというのだ。
「雄の存在理由なし」
そういうことなのか?
どういう理由でこのような進化を遂げたのか?
それにしたって、ギンブナの世界に男として生まれたら、人間の男はどう思うだろうか?
ボーイフレンドにも恋のお相手にも、結婚相手にも絶対ノーと言われる運命の男と言うことだ。
もしかすると、「それはわたしだ」という男はいるかもしれない。(わたしも大体同様である)
占いでそういう気が出ている、とかそういうことでは無く、間違いなく再現性のある現実として「相手にされない」というのが生々しく悲しいのである。
ときどき「あなたの前世は?」なんていう話があるけれど、人の前世がわかるという術士に「あなたの前世はギンブナでした。その運命を今も背負っています」とか「あなたは生まれ変わったらギンブナになるでしょう」なんて言われたら、現世で浮名を流している、あの人やこの人はきっと恐ろしいと思うだろう。いや、「それならばもっと現世で励まないと」とさらに活気づくのかもしれない。
だがさらに考えてみると「何の要求もされない」「何も期待されない」という立場の人生は気楽でいいようにも思う。
世の中を眺めて無闇に好き勝手な話をこうして書いて、それなりの満足をしているのだ。
わたしの前世を言うならきっと、『半分はナマケモノ。半分はギンブナ』で、それを今も引きずって生きているのです。
縦に半分か?横に半分か?それとも?
それはあまり答えたくないので、はぐらかしておきたいと思います。
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