17
彼が僕の開いた体の中に入ってきた時、僕は思わず涙がじんわりと溢れてしまった。
「辛いか……?」
そっと話しかけてくれる隆二に僕は首を振る。
「ううん、隆二がきてくれて……嬉しい……」
少しだけ滲んだこめかみの汗を隆二はそっと長い指で拭ってくれた。
「守、可愛いよ……」
隆二が幾度が僕の中をブランコみたいに行ったり来たりする度に、僕はどんどん乱れていく。
それは堪えきれず手を付いた右手でシーツを掴んだ。
甘い喜悦の声が嫌でも口から漏れてしまう。
隆二はそれを促すように何度も僕の体を乱していく。
もう羞恥心を超えてしまい、ただただ彼から与えられた快楽に真っ直ぐにただ素直に溺れた。
翌日から僕は再びカメレオンライダーの撮影のため、スタジオに向かった。
外は眩しいくらいいい天気で雲一つない。
隆二に今日可憐に自分の事を包み隠さず話すということを伝えた。
今日もアクション指導の続きがあり、練習用の道場では可憐ともう一人の指導の先生が道着を着て待っていた。
僕は可憐の顔を初めて真っ直ぐに見た。いつも可憐をどこかうっとおしいと思っていたから、ただの乱暴者の姉だと勝手に思い込んでいた。
でも今は態度だけじゃなく、心も向き合っている。
「春原可憐さん、手が空いた時で構いません、僕に指導してください。もちろん彰人くんや鶫くんたちの後でいいです」
可憐も背筋を伸ばして僕を真っ直ぐに見ている。
「わかりました。しっかり指導させていただきますね」
道着を着て僕は可憐の前に立つ。彰人くんたちの指導を終えたあと、可憐は僕に時間を作ってくれた。
部屋には彼女と二人きり。
僕らは真剣に稽古をした。可憐に何度も何度も倒されたけど、僕はその度に黙って起き上がって向かっていった。
互いに組み合うも無言でにらみ合う。僕はすぐに投げ出されてしまうけど、またすぐに立ち上がって彼女の隙をついた。
彼女の力を反動に投げ倒してやろうとも思った。可憐が思うより僕の勢いが早かったらしい。可憐が少しよろめいた。
そしてふふふと笑った。
「体ばっかり大きくなっちゃってさ」
「姉ちゃん」
「今の良かったぞ、でもまだまだだな!」
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