16

 僕はとりあえずは可憐に過去のことを謝り、隆二との関係も正直に話そうと思った。

 これはとても勇気がいることだけど、乗り越えなくてはならない大事なことでもある。


 隆二は昴さんとの関係を自分のためだけでなく相手の為に終わらせる。


「ありがとう……隆二、僕、僕も……隆二と一緒になりたい、もう一時も離れたくない。……周りにきちんとそう伝えたい……今度は逃げないで……」


「ああ、僕ももう逃げない」


 僕らは互いに惹かれるようにキスをした。今日のキスはいつもよりずっと深くて長い。

 たぶん今夜はキスだけじゃ僕も無理そう。

 互いに求め合い、しばらく互の唇を吸い合い求めあった。


 まだ、もっと……沢山欲しい。


 僕らは自然にベッドルームに流れ、お互いの服を脱がしあって微笑んだ。


「この間ラブホテルに行った時、お前をそのまま抱いてしまおうかと思ったけれど、どうしてもそんな気分になれなかった。なんていうかホテルというのはどうしても遊びという感じがしてしまって……お前は遊びの相手じゃないから」

「隆二……」


 ここは最初は隆二だけのベッドルームだった。

 隆二の匂いのしみついたベッドとシーツ布団……けれど今は僕の匂いが混ざってる。

 彼の肌の匂いに顔を埋めたらいつもの安堵感が胸に一杯に広がった。

 

 ここは僕だけの居場所だと思っている。

 そう思いたい……。


 互いに裸になったらすぐに彼の肌が欲しくて僕らは抱き合った。

 隆二は愛しそうに僕の頭を抱き寄せ頬を撫でそのままキスをする。


 キスを交わしたらそれは徐々に深くなっていく、僕は今彼という大きく温かな海の中で泳いでいるようだった。


「んぅ……」


 小さく吐息を吐き、彼の愛撫を受け入れる。

 僕の首筋や胸元に彼の愛情の印が刻まれていく。それはチリっとした熱くも蕩けそうな痛みだった。

 彼の柔らかな唇が徐々に僕の下半身に伸びていくと、僕は自然と体だけじゃなくて心も開いてくのを感じた。


 僕自身がもう限界になってるみたい……。体中の芯だけじゃない、隆二の触れたところ全てが熱いよ。

 切なくて胸が締め付けられそう。僕のすべてが隆二を欲していた。

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