パーティーから追放されたので、『俺の弟子』を名乗りもう一度入ってみようと思う
@サブまる
第1話 追放
「オルフくん」
「は、はい?」
「君さあ、明日から来なくていいよ」
話があると呼び出され、俺以外のメンバーが泊まっている宿に来ていた。
小遣い稼ぎの依頼をこなして、これから帰ろうという時の急な呼び出しだ。
「ど、どういうことですか……?」
リーダーのブスタスを囲うように、ミレイヤとコーレイが薄笑いを浮かべて立っている。
リーダーはすごく呆れきった顔で俺の顔を見ていた。
「うん、落ち着いて聞いてほしいんだけどね、言いづらいんだけど、うちのパーティーに君みたいなのいらない」
「なな、なぜですか……?」
「あーうざ。なぜとか聞いちゃう時点で、君って自分がこのパーティーの足手まといになってること、分かってないよね」
足手まといと言われる筋居合などない。
この地域の魔物は彼らの手に余るほど強く、何度命を失いそうになったことか。下手すれば、即死級の魔物だって存在する。
それでもここまで五体満足でやってこれているのは、俺が危機管理を徹底し、重大なミスの処理や、彼らが喰らえば明らかに死ぬレベルの攻撃の処理をやっていたからだ。
当然俺がいなければ、彼らはとっくに魔物の糞になっている。
「ま、待ってください。僕が抜けたら、魔物の攻撃は誰がさばくんですか?! ここの魔物はあなたたちのレベルには合ってないんです! 死んでしまいま、かはっ!!」
「なんつった今?」
「そうよ!! 私たちのレベルに合ってないですって!? ふざけないでちょうだい!!」
「腹が立ちますね!! そんな詭弁で居残ろうとするなんて、なんて浅ましい!!」
三人の罵倒が混濁する意識の中に聞こえる。
完全に油断した。
体の中心が熱い。
ブスタスの魔法で作られた土の柱が、俺の腹を貫通していた。
ポタポタと赤い雫が滴り落ちる。
「お前がこのくらいで死なないことはわかってる。2度と俺たちの前に顔を出すなよ。このクズが」
薄れゆく意識の中聞こえたそれが、ブスタスの最後の言葉だった。
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