　昆虫には痛覚がないから痛みを感じない。

　鳥は羽毛で覆われてるから寒くない。

　そんな話を聞いたことがある。

　しかし、今、会社の窓から見える電線に留まっているカラス。

　猛吹雪の中で飛ぶことができないカラス。

「ホントに寒くねぇのか？」

　聞けるものなら聞いてみたいものである。

　きっと、こう答えるだろう。

「寒くねぇわけねぇだろバカ‼」

　僕は子供頃に虫をいたぶって殺していた。

　幸いにエスカレートしなかったから哺乳類を殺すに至らなかった。

　あの時の虫も、きっと痛かったに違いない。

　そう考えると今、自分の置かれている境遇に納得できるものなのだ。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい