第145話 4回目

 4回目のワクチン接種を終えた。

 オミクロン対応である。


 この先、ずっと続けるつもりなのだろうか?


 それはいい…。


 会場は、さほど混雑していなかった。

 市役所職員であろう人の態度は相変わらず悪かった。

「コレ10って書いてるんですか?」

「10月に来てるんだから当然でしょ? なにか?」

「…はい、進んでください」

 殴ろうかと思った。


 それはいい…。


 僕のひとつ前に男性がいた。

 落ち着きがないというか…まぁ…少し様子のおかしい男性だった。

 ベルトをしているのに立ち上がるたびにズボンが落ちるのだ。

 パンツ丸出しでズボンを押さえながら移動している。


 僕が市役所の人を殴ったら警察を呼ばれると思う。

 だから殴らないだけで、こういう人は警察を呼ばれないのか?

 僕の、ひとつ前だからどうしても目の前にいるのである。


 なんなら、接種後15分の待機場所でも僕の前に座ったのだ。

 保険医が見かねて、別の場所に誘導しようとしたが拒みやがった。

「ズボンが落ちるだけなんで大丈夫です」

 それが問題なんだバカ野郎‼

 こんなヤツでも殴ったら警察沙汰になるのだろう。

 なんか世の中は理不尽だと思う。

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