許嫁であった女子に寄られているのですが俺には既にまた別の許嫁が居るんですが。.....どうしたら良いでしょうか?

アキノリ@pokkey11.1

第1章 サバイバルかっての.....。

色々と危機的なんですが

第1話 元許嫁と許嫁

「三島優子(みしまゆうこ)です。皆さん宜しくです!」


「「「「「うぉおおお!!!!!クッソ美人!!!!!」」」」」


「.....!?」


その日の事だが。

まあその日ってのは今年の3月の終わり頃。

俺、戸畑和彦(とばたかずひこ)の教室に.....見知った顔の転入生がやって来た。

それも途轍もない清楚系の美少女。

何というかその顔に見覚えがある.....のだが。


三島優子という名前にも記憶がある。

まさか、と思いながら俺は青ざめて呆然としていると。

自己紹介もそこそこにその女の子が靴を鳴らして勢い良くこっちに歩いて来た。

そして俺をジッと見てくるその女の子。

な。何!?


顔立ちは幼さが少しだけ残った様な.....そんな清楚系の女の子。

前髪を少しだけ紐らしきもので結っている。

それから美少女である。

こんな可憐な美少女になったのか!?、と思う。

間違いなければ.....だが。


「やっぱりかーちゃん?」


「.....え?あ、うん。まあ、か.....かーちゃんです.....」


「やっぱり!?嬉しい!私の事.....覚えてる!?みーちゃん!」


「.....そうですね.....」


「.....何で敬語?」


「周りを見渡せば分かるかと」


みーちゃんが周りを見渡す。

そして凍っているみんなを見た。

それから高笑いしている教師を見てから。

俺を指差している友人を見る。


「.....これがどうしたの?私はかーちゃんに会えて嬉しいよ?」


「馬鹿か!本来の転入生がそんないきなりあだ名で呼んだりをするか!?うわ!?抱きつくな!!!!!」


「かーちゃん!久々だねぇ!」


「昔から変わってねぇな!!!!!母親の呼び名っておま.....いや!?抱きつくな!!!!!」


まさかのみーちゃんの行動に大慌ての俺。

だって胸が!?みーちゃんの胸が!

だがそんな感じで居ると凍った時間が動き出した。


担任の女性、下田が一声をしたから、だ。

はいはい。仲が良さそうだけど今はホームルームだぞ、とである。

俺は、そうだ!今はホームルーム中だから!後でな!?、と声を掛ける。

すると、ぶー、と言いながらもみーちゃんは教壇に戻って行った。


全く.....困ったもんだな。

この事を別クラスのアイツに知られたらもっとマズい。

俺の.....今の許嫁に、だ。


考えながら俺は汗を拭いながら汗を流した。

そうしていると横の無水透水(なみずとうすい)。

俺の友人が声を掛けてきた。


顔立ちはそこそこのイケメンであり。

茶髪の少しだけチャラい男。

そして何よりもモテない残念系のイケメンである。


「.....おい。どういう事だ。戸畑」


「.....煩いな。今はホームルーム中だ。説明は後でな」


「許さんぞ。殺してやる」


「.....おう」


殺される訳にはいかんが殺されるかもな。

このクラスの嫉妬に満ち満ちた男子どもに、だ。

俺は考えながら逃げる方法を考えた。

それから後ろの方の席に向かう、みーちゃんのウインクを俺は受けながら盛大に溜息を吐く。

全く困ったもんだな.....。



「かーちゃん」


みんなに絡まれている筈のみーちゃんが立ち上がってこっちにやって来た。

あまり目を合わせない様にしていたが、だ。

だがその作戦はあまり良く無かった様である。

逆にムッとして来てしまった。

みーちゃんが、だ。


「.....何でしょう。来ると思ったけど」


「何だかみんなとお喋りするの疲れた。昔みたいに構ってよ」


「.....それっておかしく無いですか?喋り疲れたんでしょ?」


「何で敬語なの?昔は違ったよね」


「良いから」


そんな会話をしていると。

遂に無水が核心の事を聞いてきた。

君は.....戸畑とどういう関係?、と、である。

俺は、オイ!馬鹿.....、とそこまで言い掛けて。

とんでも無い事をみーちゃんが遂に口走ってしまった。


「私は戸畑和彦君の許嫁です」


「.....」


「.....」


「.....ヤバいな。空気が凍った.....」


ぶっ殺す!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

とクラスメイトの男子達が絶叫した。

それから金属バットとか消化器とか持って来た。

オイオイオイオイ!!!!?

ふざけんなお前ら!?


「許嫁は既に居るのに何故そうなる!?」


無水がそう話す.....。

あ。

いやちょ。

アカンそれは禁句だ。

俺は完璧に青ざめながら絶句する。


「あ。オイ馬鹿。何て事を言.....!?」


「.....ちょっと待って?かーちゃん。何それ?初耳ぃ」


「.....」


「全部洗いざらい話してもらうね?良いよね?」


「.....はい」


この人は雪女か吹雪かな?

俺は凍りつきそうな勢いであった。

思いながらみーちゃんを見る。


みーちゃんは柔和な感じだが一切だが目が笑ってない。

クラスメイトにはもう知られているが俺には許嫁が居るのだ。

それでこうなった.....が。


「.....落ち着け。みーちゃん」


「これが落ち着けますか?私が好きな人に許嫁がもう1人?あはは」


「そもそもお前との許嫁の件は破棄になったろ.....!?」


「うん。確かにね。.....でも私は貴方が好きだから」


「.....!?」


野郎ども!この馬鹿をぶっ殺せぇ!!!!!、と無水が絶叫する。

馬鹿ども!!!!!落ち着けぇ!!!!!、と思いながら教室の外の方を見ると。

そこに唖然とした.....今の許嫁の、寺水みのり、が居た.....。

鬼の形相になる.....。

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