第3話 最強を目指して

 人間世界に帰る方法はないかと探していた。

 僕は、魔物と戦って、レベル上げをすることにした。

 悩んでいても、立ち止まっていても、何も進まないだろうから。


 僕は目の前にある魔物を倒して、レベルを積み上げていった。

 今はレベル1だけど、経験を積んでいけばレベル2になるし、ここはゲームみたく上限がないから、いくらでもレベルを積むことができる。

 レベルは自分ではわからないから、どこかにレベルを調べてもらうところがあって、そこでレベルを見てもらう形になるのだけど。


 僕は戦っている最中に、ギルドにいた青髪の女の子に出会った。

 洞窟の前まで向かっていて、魔物を倒してから、入ろうとしている時だった。

 洞窟の前に扉があって、扉の横に電卓みたいに0から9までのボタンがある数字を押せるものがあって、

 どうやら扉を開くには暗唱番号が必要らしいけど、その番号がわからなくて、立ち止まっている時だった。

 そこで、青髪の女の子も扉の前で止まった。


「ここは、何か番号が必要みたいだけど、何か知ってる?」

「実は知らなくて、立ち止まっていたところなんだ」

「そう」

 

 初めてその子の声を聞いた。

 落ち着いていて、声は低くもなければ高くもなかった。


 顔は知性を感じさせる顔つきで、クールな雰囲気を纏い、

 ぎりぎり膝にかからないくらいの膝上のミニスカートに、

 膝下までのブーツを履いていて、

 背中までのマントを羽織り、

 右手は半袖だけど、左手は長袖だった。

 髪はツインテールで、おろせば背中まで長いんじゃないかと予想させるくらいだった。


 武器を持っている感じはしなくて、さすがに洞窟の前まで行くのに手ぶらは考えにくいので、どこかに隠し持っていると思う。

 ブーメラン、杖、銃、短剣とかならどこかに隠し持つことができる。


「いったん引き返すしかなさそう」

 青髪の女の子は、呟いた。


 僕としては、苦労してここまで来たんだから、引き返したらまた1からやり直しとか、めんどくさいのなにものでもなかった。


「僕は引き返さない」

「そんな無謀なことはよした方がいい。

ここの世界の住人なのか、異世界に迷い込んだ人間なのかは知らないけど、生きて帰りたいなら慎重に動いた方が身のためって」

「そうだけど、洞窟のどこかにヒントがあるんじゃないかって」

「ヒント?」

「近くに暗唱番号が書いてある紙が落ちているとか」

「確率的には0ではないけど、それなりに低いから、過度な期待はよした方がいい。

期待が大きければ大きいほど、外れた時にショックが大きいのも期待っていう感情が抱かせる心理だから」


 

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