第2話 運命的な出会い
行く当てもない、僕はギルドに入った。
そう、異世界に迷い込んで、人間世界に帰れなくなった人たちがそこに集まっていたらしいから。
話声が聞こえてくる。
「人間世界に帰れなくなった」
「俺も」
「私も」
「あたしも」
そうか、僕以外にも帰れなくなった人が何人もいるということなのか。
黒幕探しとなると、難しい。
どこに黒幕が隠れているのか、わからないしな。
僕は、ここで青髪の少女を見る。
綺麗な青髪だった。
僕は声をかけることもできず、ただ通りすぎていくのを見ただけだった。
眺めることしかできなかったのは、複雑な気持ちだった。
ここで僕みたいな一般人が声をかけたところで、ここまでの美少女なら、イケメンの方がいいだろうなと、無理やり自分を納得させていた。
思えば、ピンクの髪、緑の髪、紫の髪などいろいろな髪の人がいる。
そうか、髪の色をゲームみたく選べるんだった。
瞳の色も選べる。
身長や、容姿に関係することは全てそうだ。
名前については、名前だけの人もいれば、名字も決める人もいる。
僕に関しては名前のみで、名字とかは考えたことはなかった。
理由は単純で、設定とか決めるのに1時間くらいかかったし、最後に名前を決めるらしいけど、ここで設定決めに疲れた僕は、名前のみ決まることにした。
僕はみんな知らない人というのもあって、誰ともコンビを組むことがなく、装備品だけを探し、町を出ることにした。
ギルドの中に装備品がいくつか置いてあって、無料で支給されているものだった。
お店で売っているものと比べたら、そんなにいいものではないけれど、初期装備と比べたら、使い勝手のよさそうな物ばかりだった。
しかも早いもの勝ちなので、僕もなるべく急がなくてはならないし、近くに武器に詳しい人、服に詳しい人の二名がいるので、よくわからない素人でも、武器選びや服などの装備品選びに困らなくて、ここは助かる。
レイピアでも、なるべく最強の物を、鎧までいかなくても、身軽で防御力の高い物を身に着けたら、町を出て、人間世界に帰るための手段を探すんだ。
よく漫画の世界では諦めなければ何とかなると聞くけれど、現実はなかなかそうはならないとは思う。
もしかしたら、異世界に行ったきり帰ってこれないなんてことも考えられなくはない。
レイピアは物によっては細くて折れやすいというデメリットを抱えているため、なるべきく丈夫な物を探した。
初期装備は売るつもりでいた。
丈夫なら剣とかにすればいいと思うかもしれないけれど、それだと動きにくさがあるため、僕はレイピアにした。
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