ねずみドラゴンの冒険

加納佑成

第1話 ねずみドラゴンの紹介

 ねずみドラゴンとは、ねずみのようなドラゴンのことです。

 ねずみドラゴンはとてもとても長く生きている、いにしえのドラゴンですが、ドラゴンとしてはまだまだ子どもで、ちょっとのんきでとぼけた性格をしています。

 ねずみドラゴンは、とてもとてもけわしい、霧が深い山の洞窟で一人暮らしをしています。遠く離れて暮らすパパやママのことを思うとちょっとさびしくなるときもありますが、そんなときは口笛を吹いてさびしい気持ちをまぎらわします。(あまりうまくはないようです。)これもりっぱなドラゴンになるための修行しゅぎょう(きたえること)なのです。

 今日もねずみドラゴンはせっせせっせと今日のごはんの虫やドングリをあつめているところです。ねずみドラゴンは基本鼠とドラゴンのいいとこ取りの生物なので、鼠の特徴である雑食性と恒温性、ドラゴンのエネルギー効率の良さと体温維持能力によって、この程度の量でも十分足りるのです。

 おっと、失礼。ねずみドラゴンの大きさを書き忘れていましたね。ねずみドラゴンはだいたい小さめのアフリカゾウ位の大きさです。ねずみとしては大きすぎ、ドラゴンとしては小さすぎます。

 でも、ねずみドラゴンはねずみでドラゴンなので、この位の大きさがちょうどいいのです。

 おや、ねずみドラゴンが今日のごはんを持って家に帰るようです。鼻歌を歌っていますね。どうやら今日は大漁で、ご機嫌のようです。

 そんなねずみドラゴンを、岩の影から隠れてジッと見つめる人影がありました。

「フッフッフ……やっと見つけたでねずみドラゴン……ワイが捕まえて大金持ちになったる……」

 不気味に笑うこの人影は何者なのでしょう。はたしてねずみドラゴンはどうなってしまうのでしょうか!?


(つづく)

 

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