眠る

この白いシーツの海が

僕の居るべき世界なのだと

いつも思う


現実と呼ばれるものたちは

いつもどこかよそよそしい


僕は静かに目を閉じると

どこか遠い世界に思いを馳せる


今日はどこへ行こうかな

どんな世界が待っているだろうか


静かに静かに

息を整える


見えてくる世界の中で

僕はいつも主人公だ


見ず知らずの人たちが

笑顔で語りかけてくる

僕も笑顔で返すと

彼らと共に歩き出す


虹色の大平原に

浮かぶ鯨に 亀の城


城壁の門を潜ると

重力の無い世界が広がる

壁を歩くと

鯨にも手が届きそうで

大きく手を伸ばす


掴んだそれは

小さなイワシで

世界は海の中に沈んだ


イワシの案内で

どこまでも透明な海を泳ぐ

手を見るとヒレが生えていた


大きく息を吸うと

名も知らぬ魚たちと泳いだ

暗い洞窟に入ると

楽器隊の騒がしい音色が聞こえてくる


やがて鐘の音か鈴の音かわからなくなると

光が見えてくる


朝が来た

目覚まし時計を止めると

ベッドから起きる


もう一度寝たい気持ちを抑えて

大きくあくびをする


さて、戦いに行こう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る