恋のダンクシュート

ハル

第1話 転入生

私の名前は、


山戸 真央(やまと まお)。16歳。

高校2年生の女の子。


性格は明るい。


○○附属学園に通っている。



そして、私の友達=親友でもある


田仁森 若南(たにもり わかな)。


彼女とは小学校からの付き合いが長い。




「若南、今日は先に帰って良いよ。私、用事あるし」


「良いよ。待ってるよ」


「ううん、大丈夫!逆に申し訳ないから」


「そう?じゃあ、良い子に帰るね」


「うん。良い子に帰って貰って良いよ」



そんな会話をしつつ、話題を変え他愛もない話をする。


その日の放課後、私は学校でやらなきゃいけない事がある為、教室に残っていた。


時間は刻一刻と過ぎて、夕方5時を回り、帰る事にした。


そんな時、部活生の生徒達が体育館の出入り口にやけに群がっている事に気付いた。




「すっげー」

「ヤバくね?」

「あれ部外者だろ?」

「現役バスケ部、一気に抜かれてんじゃん!」

「ありえなくね?」




そういう会話が聞こえる中、無性に私は群がる人混みを押し退けるように前へと進む。


一瞬、取られたのか、すぐに取り返し、



「もらいっ!」


「えっ!?」


「うわっ!」


「早っ!」


次々にバスケ部員を軽快なドリブルで交わしていく。




「こらーーっ!お前らーーっ!部外者から次々に抜かれてどうするんだーーっ!」



顧問の先生の罵声が聞こえる。



「すまませーん!」


「さっさと捕まえんかーーっ!」


「は、はいっ!!」




ダンダン…ドリブルをして行く男の子。




すると、次の瞬間―――――


男の子は、宙に浮き、



グヮコォォーーン


目の前で、ダンクシュートをかました。




ドキーン…


シーンと静まり返る体育館内。


スタッ


着地をする男の子。




そして、男の子は去って行き始め、私と視線がぶつかった。



ドキッ

胸が大きく跳ねる。



「………………」





次の日――――



「へえー、そうなんだ」と、若南。

「うん、本当に凄かったよ」




そして、H・Rの始まりのチャイムが鳴る。



ガラッ

戸が開き、先生が入って来て、後に続いて一人の男の子が入って来る。



「…あっ!あーーっ!」


叫びながらも席を立つ私。



「な、何だ!?山戸っ!朝から騒々しいぞ!!いきなり叫ぶんじゃない!」


「昨日、バスケ部員、次々抜いてダンクかました人っ!」


「あー、知ってる!かなり凄かったらしいじゃん!」




ガヤガヤ…


ザワザワ…



騒々しくなるクラス。




「はいっ!静かにっ!ほら、山戸は席につけ!」


「あ、はい…。す、すみません…」


渋々、席につく私。



「はい、今日から、ここのクラスに転入生とした、樹砂羅(きさら)だ。自己紹介しろ!」


「はい。樹砂羅 夕飛(きさら ゆうひ)です。宜しくお願いします!」




無邪気な笑顔で自己紹介をする彼の姿。

樹砂羅 夕飛君。


昨日とは別人のようだ。

彼の存在は、学校中、一気に広まり、廊下にも人集(だか)りで、人気者になった。


彼は、以前○○国府高校の生徒だったみたいで…


だけど…私の中では、何か秘めた事がある気がしてならなかった。


みんなは別に普通に気にしてないようだけど、私は何か引っかり、彼には何かあるような気がしてならなかった。

















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