陰キャモブの惨たる日常

裕雨

第1話 モブの朝日は明るくない

 3色の目覚ましの音で目が覚める。

 時刻は4時30分、高校生活が始まってから自分を変えようと必死だった僕は早起きを始めていた。早起きするために夜は10時半にベットに入った。元々7時に起きていた僕は確かに早起きをする事で起きる時間は変えられた。でも、僕のゴールはここでは無い、自分を変えることだ。


 4時半に起きて何するんだよと思う人もいるかもしれない。でも僕の中で人生に多少のゆとりができた気がする。

 まず、勉強が楽になった。そこそこの進学校に通っている僕は勉強も頑張らなくてはならない。そこで、昨夜覚えた英単語を朝早く起きて勉強するとか、朝のうちに数学の例題を1問でも解くなど、朝は勉強にも有効的に使えた。

 次に、自分の好きなことをする時間が増えた。勉強嫌いの僕は勉強の為に朝早く起きるなんて事はできない。だから、Youtubeを見るのが娯楽である僕はやることが全て終わったら必ずYoutubeを見ている。こんな楽しみがあれば誰でも早起きができると思う。

 こうして僕は朝をゆっくりと過ごす事が日課となった。


 時刻は7時、この時間になるとお父さんは仕事に行く。この時は大抵僕は朝ご飯の用意をしている。お母さんが作った味噌汁を注いだり、ご飯を盛る。これが終わると弟と妹を起こしに行く。

 大体いつも兄弟で朝食をとる。みんな眠いせいか殆ど喋る事はない。

 朝食を終えると、身支度をし学校に行く用意をする。忘れ物が無いか確認して家を出る。


 学校には自転車で登校する。この登校中の時間が僕は一番嫌いだ。忘れ物をしてないだろうかとか、学校についたらやることとかをずーーーっと頭の中で思い返している。よほどの完璧主義なのか心配症がすぎるのか、僕にも分からない。ここで一番嫌なのが、僕の思考はネガティブなことしか連想できなということだ。もしこれを忘れていたらどうなるだろうとか、不安なことしか頭入って来ない。最後にはストレスで腹痛を起こすことだってあった。


 こんなバカみたいな事をしながら学校におよそ25分かけて到着する。バカみたいな事だがいつもこの調子なのだ。

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