放課後誰も居ない教室で君と出会う―②
望月さんにあってから、彼女に自分の絵を褒められて自信がついたのか、あれからいい絵が描けてる気がする。
それから数日、いつも通りに学校へ登校して教室に入ると、いつもより騒がしかった、クラスで唯一の友人の秋斗に聞いたところによると、今日このクラスに転校生が来るらしい。
秋斗と話してたら、先生が教室に入ってきたため、席に座る。
「突然ですが、今日からこのクラスに転校生が来ることになりました」
先生のその一言で教室がざわついた。
「入ってきていいぞ」
その一言で一人の少女が教室に入って来た。
その瞬間、クラスの男子達が転校生が女子のことに喜び、騒ぎ始めた。
でも僕は、その転校生に見覚えがあったため驚いていた。
そう、この前の放課後にあった子だ。
「望月いろはです。よろしくお願いします。」
軽く自己紹介をした後望月さんは先生に指定された席に座った。
ホームルームが終わって望月さんに話しかけようとしたが、望月さんの周りにたくさんの人が集まっていたため話はまた今度にすることにした。
放課後になっていつも通り教室で絵を描いていると望月さんが教室に入って来た。
「まだ帰ってなかったんだ。皆と一瞬に帰らなくていいの?」
「君の絵が見たかったからね」
「そうなんだ。それにしても驚いたよ。転校生が君だったとわね。」
「そういえば、今日は何描いてるの?」
そう言って僕のスケッチブックを覗き込んできた。
僕は気にすることなく、絵を描き続ける。
「そういえば、君は絵を描かないの?」
ふと気になって聞いて見る。
「描いてたよ、前は」
「前はってことは今は描かないの?」
「描かないと言うか描けないんだよね」
俯きながら望月さんは答える。
「そっか、なんかごめんね。」
「ううん。全然大丈夫だよ。今日はもう暗くなって来たから帰るね。」
望月さんはそう言って教室を出ていった。
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