彼氏が親友と浮気したので反撃開始
猫の集会
第1話
私の名前は、夏希。
歌手を目指して奮闘中。
彼氏の弘樹とは、同棲して一年が過ぎよう
としていた。
なかなか歌手の芽が出ない。
だから、バイトもしている。
弘樹は、会社員だから生活がすれ違うこと
がしょっちゅうある。
たまに、ふと思う。
ずっとこのままの生活が続いたらどうなっ
てしまうのだろうって…
でも、今はとりあえず毎日をこなすので精
一杯だ。
バイト先に親友の美雪がやってきた。
私は居酒屋でバイトしているんだけど、
今日は、会社の人の送別会なんだそうな。
「あれー夏希、歌の方はどう?」
「うーん、まだまだだよ…」
「でも、弘樹とは順調そうじゃん。」
「まぁね。」
「すいませーん」
「あ、じゃまたね。」
私は、接客を続けた。
美雪と私、彼氏の弘樹三人は同じ高校出身
なんだ。
バイトが終わり明け方アパートに帰ると、
弘樹がまだスヤスヤ眠っていた。
起こさないようにシャワー浴びてコンビニ
で買ったサラダを頬張る。
「あ、おかえり。」
「ただいま。ごめん。起こしちゃった?」
「ううん。今日早朝会議だからもう起きよう
としてたところ。」
「そっか。」
「あ、そこに同窓会のお知らせ来てるけど参
加、不参加書いといてくれたらオレ出しと
くよ。」
「うん。ありがとう。私不参加だけど弘樹は、
遠慮しないで
好きにしていいからね。」
「わかった。」
この何気ない会話。
後で後悔する事を今の私は、知らない。
それから、半年が過ぎた。
季節は変わるけど、私達はいつも通りの生
活だ。
休みの日が弘樹とたまに一緒になると近く
のスーパーに買い物にいく。
いつもは、手を繋いでいた。
でも、今は真夏だし暑いから手繋がないん
だよね⁈
きっとそうだと自分に言い聞かせる。
「今日ハンバーグでいい?」
「んー。」
あれ?なんかそっけなくない?
一年以上一緒にいるとマンネリしちゃうの
かな…
そんなもんだよね。きっと…
数日後、バイト先に美雪が友達と飲みに来
た。
同窓会なんでこなかったのってブーブー言
われてしまった。
あと、もっと弘樹構ってあそんであげなよ
って。
構うも何も一緒に住んでるし…
弘樹同窓会で私の事愚痴ったのかな。
その時は、軽い気持ちで聞き流してしまっ
た。
毎年八月に音楽のイベント際が各地で行わ
れる。
私は、助っ人で一週間同行する事になった。
県外だから一週間アパートに帰らない。
イベント際当時。
美雪から着信。
借りてた本を、うちの近くまで行ったから
返そうと思って電話くれたらしい。
ポストに入れて置いてくれるそうな。
音楽祭二日目、弘樹に電話した。
あれ?出ない…
しばらくして不在着信があった。
でもかけ直す時間がなくて結局次の日にな
ってしまった。
プルルルル プルルルル
「もしもし…」
ガラガラ声の弘樹。
風邪をひいたらしい。
でも大した事ないからって。
そっか。ならよかった。
音楽祭が終わりアパートに帰るとすっかり
弘樹の風邪は、良くなっていた。
でも、なんかいつもと様子が違くない?
なんか目を合わせてもらえない…みたいな。
風邪をひいていたのに、放置したから怒っ
てるのかな…
怒ってる様子じゃないような。
よくわからないけどそんな変な空気のまま
数日が過ぎた。
今日は、たまたま晩御飯を一緒に食べれる
事になった。
食事中、ふと思い出した。
「そういえば美雪がポストに本入れといてく
れるって言ってたけどどこにある?」
ゲッホ。
弘樹がご飯を喉に詰まらせてむせた。
「え、ほ、本ね。確かあったあった。」
はいって渡された。
「ポストに入ってた?」
「え、まぁ…」
なんか挙動不審じゃない?
本汚したとか?
後で本をパラパラみてみたんだけどなんと
もなかった。
しかし、あの動揺は一体なんだったのだろ
う。
最近、運が向いてきたのか歌の仕事がたま
に舞い込んでくるようになった。
大きなイベントではないけど、呼ばれるよ
うになってきただけましかな。
本を届けてくれたお礼に美雪に電話をした。
はじめは、普通だった。
でも、本ポストに入れてくれたんだよね?
って聞いたら、
「あー、まぁね…」って。
直接渡したなら二人共そう言えばいいのに。
二人してなんか様子がおかしい…
なんか私に隠してるんじゃないのぉ⁈
そう思ったらいてもたってもいられない。
追求せねば。
なんだか変な汗が出てきた…
弘樹が寝ている間にこっそり携帯を盗み見
た。
まず着信。
美雪からあった。
私が音楽祭に行ってた時だ。
ラインもあるじゃない!
美雪からだ
「あの日は、どうかしてた。ごめん。」
って。
ん?
「オレも風邪ひいててどうかしてたかと思っ
たけど、そうじゃない。美雪が好きだ。」
って。
なんだと⁈
ふーん。
そういう事。
いいでしょう。
これから二人共覚悟しとけよ‼︎
続く。
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