第8話 召喚された者たちとの交流
交流をしよう。
伝え聞いた話によると、召喚された者たちが案内された部屋には差があるらしい。いつの間にかリーダー的な立ち位置に落ち着いた結城という青年には、豪華な部屋が提供されたらしい。人を選んで、案内する部屋を変えているようだ。
若くて戦力になりそうな学生たちには、中程度に豪華な部屋を。大人たちが案内された部屋は、普通の部屋だ。
そして俺は、一番ランクの低い部屋へと案内されたようだった。そうなった理由も分かっているので気にすることでもないが。
部屋に案内された後、食事会が開かれて俺たちも強制的に参加させられた。面倒だと思ったが、参加しないと食事を抜きにされそうになった。腹が減っていたので、どうしても食事会に参加せざるを得なかった。
その日の晩に行われた食事会には、マンドスシリアの王様や貴族が数人参加していて、一緒に食事をすることになった。
既にリーダーとしての意識が芽生えたのか、召喚された者たちの代表者として受け答えをする結城。面倒な会話は、彼が全部引き受けてくれたので思ったよりも楽に、食事会は終わった。
食事会が終わって、ようやく眠れると思ったら大人たちで集まろうと声を掛けられた。
「これから将来に向けて、情報交換をしておきましょう」
「そうですね」
煩わしいと思ったが、情報の重要性を理解している俺は即答で、集まりに参加することにした。
「私は、田中圭。医療系の商社に勤めておりました」
俺は、彼らに偽名を名乗った。以前、とある会社を乗っ取る時に使った偽名を今回も使用する。
「ここから、立ち去れ」
「ほら、さっさと出ていけ」
予備としても必要なくなったのか、急に追い出された。
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