『自分の名前の価値に気付けた瞬間に立ち会う』―――そうした物語に心を持っていかれました。
自分の場合もこの主人公と同様、ずっと気に入ってなくて……。
でもある日、(他界した)親の日記を偶然目にした時、初めて名前の由来、そして次候補とを悩んだエピソードを読んで感慨に耽りました。
今でも次候補の方が良かったと思うくらい、あまり気に入ってない名前ですが、それでも知ってしまった命名へのエピソード。
その熱い想いと込められた願いは誇りに思え、大切にしたいな、と今でも胸の中で息づいています。
そうした命名についてを綴ったショートストーリー。この物語の主人公の凪海ちゃんは既にその価値に気付けて誇りに想えて……
その名の通り、全てを包容し、いざとなれば何者にもなれる、そこから感じられる大いなる期待に胸一杯膨らませ走り出して行くエンディングが、このストーリーの素晴らしさを余すところなく際立たせています。
ぜひご一読をオススメします。