第10話 取り付け
今日も一日、冥野先輩が平和でありますように。
今は三限目。
成績?中の上。中のところ、灯那が教えてくれるおかげでちょっと上。
今日はテニス部の試合で灯那は不在。だけど、やたらメッセージが来る。
❮何も無いか?❯
❮何かあれば直ぐに言え。❯
❮無事か?❯
似たような内容が沢山。
だから返信はほぼ
❮ないよ。❯
❮何が?❯
問いには一切、答えは返ってこないけど。こんなにメッセージ来たのは初めて。
一体何なんだろう。
「楼伽ちゃん!」
冥野先輩のお声が・・・空耳?いや私が聞き間違えるはずない。
「楼伽ちゃん!」
教室の扉にはヒラヒラと綺麗なお手を振られていらっしゃる我らが冥野先輩のお姿。
「はい!?」
超特急で扉の前に。
勿論、冥野先輩の邪魔にならない程度に2m程距離は取ってるよ。
というか
「二度も呼ばせてしまってすみません。えっと何故一年何かの教室に・・・。」
「楼伽ちゃんに会いに来たに決まってるじゃないか。」
悲鳴。
黄色い悲鳴。
だけど五月蝿くない程度。
流石、会員の皆。
冥野先輩のお耳に響かないように必死に声を抑えようとしている。
というか、私、その笑顔が眩し過ぎて目が開けられないんですが。
「お礼の一つとして、出来ればお昼をご一緒させてもらえないかな。」
えっと・・・あ、このあいだの。
「いえ、本当にそんなの・・・」
「僕のお礼の気持ちを受け取って貰えないかな?」
首を傾げて?寂しそうな表情?私なんかに?
「ぜひお願いします。」
「じゃあ、昼休みに迎えに来るからね!」
会員の皆から質問攻めに合い、お礼の話をしたら皆が「やっぱり会長の仕事は凄いです!」とやたら輝く目で見られた。
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