●ある奴のFC会長の彼女●

咲風 小麦

第1話 尊い

朝日が差している校舎には生徒が段々と集まり始めている。私もその内の1人。毎朝の祈りを心の中で唱える。



(今日も1日、快適に過ごしていただきたい。)



パタパタと走ってくる音が聞こえて足を止める。



楼伽ろか!今朝、異常なし!」



「おはよう。今日は一番前になれる日だったよね?うんと拝んだ方がいいよ。」



「ありがとう!」



今走り去って行ったのは会員No.315の後輩、この高校の1年C組。ちなみに私は1年D組。



教室に入ってクラスメイトに挨拶をしながら荷物を置き、時計を確認。ベランダに出て毎朝使う昇降口から校門へ目を向ければ、時間通りにいらっしゃった。



あぁ、今日も素敵・・・。





高い身長


スタイルの良さ


柔らかそうな赤みがかった艶やかな程よい長さの茶色の髪


整ったお顔


綺麗な肌


完璧な頭脳


輝かしいオーラ


スポーツ万能


秀才


少女漫画に出てくる主人公より完璧





このお方、冥野めいの 雫玖しずく先輩、2年D組。



きちんと空けられた道の真ん中を優雅に歩いていらっしゃる。教室のベランダから眺めてもオーラが違う。



我が高校・・・否、この世の全ての人類で一番尊いお方▪▪▪あぁ、私の知る限りの言葉でこんな表現しか出来ないことをお許し下さい。



私は冥野先輩のFCファンクラブ会長、星宮ほしみや 楼伽ろかです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る