64話:ロボットの戦いはやっぱり熱い方が良いでしょう②




〈まったく、こういう展開は予想してなかったんだけど。お節介な友人の御蔭で、僕等は心置きなく戦えるようだね〉


 この言葉にカミのキャラは頷くだけ。

 なのに、カミがアフレコしたみたいにセリフが妙に噛み合っていく。


「今度は本気で来てくれないと、興ざめじゃぞ」


〈安心して欲しい。こんな場面で手を抜くほど私は大人ではないのでね〉


「ふむ、では心置きなく。今できる事を、今までの成果をお主にぶつけるとしようかのう」


〈最初の頃の様に、あっけな倒れないで下さいね。貴方は私が認めた内の一人なのですからね。失望させたら許しません〉


「心配せずともよいじゃろう。我の腕前ならここまで戦ってきて試合で見ておろう」


 何回か近接武器を素振りして、お互いに構える。

 静かな数秒間が続き、ゲームの方で静かなファイトという掛け声が響く。


 それと同時に、動かない二人と狙ったミサイルとレーザーを僕とライバルの親友キャラが同時に撃ち落とす。まるで、僕等が撃ち落とした音が合図みたいに、二人が一気に動き出した。そろそろ、僕が撃ち落とせる量のキャパシティーを超えて来てるんだけど。


〈数が多いな、どっかに隠してある砲台でも潰せれば楽になるんだけど〉


 弾丸の撃ち落としは、ちょっとしたコツを掴めば何とか狙えるけど。それはミサイルなどの見やすい弾ならって話で、レーザーなんかは基本的には撃ち落とせない。


 アラームのなった方を熱源を見つけたら、その場所に散弾を放って邪魔をするほかないんだ、その間は一、二秒だから考えて撃っている余裕は無い。


 熱源、じゃあ発砲っというノリで撃ってギリギリだ。


 だから、左手には常に散弾銃、右手には動かしやすいライフルにロングバレルをセットしたモノを装備している。親友のキャラが言っている事は分かるが、自分には流石にムリだ。


〈一人で時間を稼げるかい〉


「また無茶な事を言うね……やるしかないんでしょう」


〈良いねぇ。君には本当に嫉妬しちゃうよ。カミちゃんと一番の仲良しでさ。俺には無理だなって思っちまう事にも全力で向かって行くんだからよ〉


 援護射撃が減っただけで、僕への負担が跳ね上がってるんですけどね。


〈くそぉ! なぜだ⁉ なぜワシの言う事を聞かない⁉ そんな奴等などどうでもよいではないか、アヤツのコアを手に入れれば、お前らの望むモノが手に入るのだぞ〉


〈もう、関係ねぇな。貴方は信用ならないという結論に至りましたからね〉

〈俺達を舐め過ぎてんだよ〉

〈ふん、必要ないのは貴様らの方だ……全員処分してしまえば済む話ではないか〉


 堪忍袋の緒が切れたらしい、さっきまでの弾幕がシャワーだとしたら、今度は海の高波レベルで大量のミサイルとレーザーが飛んできている。


〈チャージ完了…悪いね待たせた⁉ それでも撃ちもらしは多いからよろしくね〉


 まだ序盤の終わりだから、必殺のゲージって無いんだよね。良いな、僕だって早く使いたいよ。流石にこのイベントって難易度が高すぎる気がするんだよね。


「多い多いって⁉ 早く倒しちゃってよね!」


 このイベントも終わりが近くなってきて、最後の演出にクイックタイムイベントが発生した。これ全部押せっていうのも鬼畜なんですけどね。



 ==音ゲーかな?

 ==悠月ちゃんだけ音ゲーが始まったな

 ==ようまぁ、ノーミスで打ち込めるな

 ==こっちもこっちで熱いんだよな



〈ふはは、邪魔してくれた奴等にはお似合い結末を迎えさせてやる〉


「いい加減、五月蠅いんだよ三下の能無し学者⁉ あっ、まだ撃てるんなら――」


 最後のQTEで、全弾発射のマークが出たがあえて無視する。



 ==え、なんで撃たないの

 ==早く押さないと失敗に――



〈流石だね。任せたよ〉


 この画面をよく見ると、親友の機体であるエネルギーは三分の一くらい残されている。

 画面が急に移り変わって、僕の機体が高くジャンプする。


〈な、なぜ⁉〉


「見捨てた訳じゃあないよ。まだ余力があるなら別に大丈夫かなって思っただけ」


 ガシャンと空中で武器を構えると、全弾発射のコマンドが出てくる。


「高みの見物してないで、しっかりと地面を這ってでも勝負してこいっての」


 肩や足の場所からもミサイルが飛び出して、全ての弾丸が悪の学者が居る場所を次々と打ち抜いてく。最後のオマケに親友のレーザー砲が学者を襲っていた。


 カミの方はというと、物凄く良い勝負をしていた。


「強いのう、やっぱり強い。しかしなぁ、お主を超えていかねば、戦ってくれぬ奴がおる、悪いが勝たせてもらうぞ」


〈最後の一撃、真っ向から受けると⁉ 貴方は本当に阿呆ですね! 最高ですね〉


 潜り込み行動で、ギリギリの当たり範囲を抜けて、ライバル先輩の急所に斬撃を叩き込んだ。ただし、先輩の最終技は遅れて爆発の余波が襲ってくる。


「くっ! どっちじゃ⁉」


 本当に辛うじて、勝者はカミと名前が出ていた。


〈はぁ~、ようやっと終わった。こっちは弾切れで、勝負はお預けだな〉


「面倒だから戦いたくないんだけど」



 ==いや~良いもんを見れた

 ==こんな展開があったんだ~、知らなかった



 コメントをくれる人も何人か居るが、大多数は拍手の記号で埋まっている。


「疲れた~」

「楽しかったのじゃ」






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仕事から帰ってきてみたら、上手く投稿が出来ていなかった。。。。。。_| ̄|○


朝に見直して予約投稿を設定した日が一日ズレていました、申し訳ございません_(._.)_


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