#33

「オラ、新しい仏さんを信じることにしたべさ」


「なんだぁそりゃ。異国のでけぇ奴が吹聴して回っていたやつけぇ?」


「んだ。なんでも信じるだけでええっちゅぅてたもんでな」


「そらお前、仏さんじゃなくてカミサマゆうもんよ。全然偉丈夫の説いてること聞いてねえんだな」


「そうなんだべか? オラ昨日聞いたばっかでまだよく分かっちょらん。お前さんこそよく知っちょったな」


「こっちはお前と違って学問を修めとった。一緒にするでねぇ。まぁ俺は仏さん以外信じる気はねぇけどよ」


「そうかいそうかい。でも天国へさ行けるっちゅう話やったべ、お前さんも信じたらええのに」


「天国と極楽どっちがええかなんて誰にもわからんしな。それよりええんか? 今日は異国でいう『ニチヨウビ』に当たる日じゃねえのかい?」




















――教会に行くのは今日かい?

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