#30

「なぁ、アレの名前が思い出せねぇんだ。手伝ってくれよ」


「いいぜ、思い出せる範囲でヒントになりそうなもの言ってみろよ」


「ああ助かる。モヤモヤしててムカつくんだ。ええと、まずは『道具』なんだ」


「ほう、道具か。いいぞどんどん教えてくれ」


「材質は木だ。木材出できてるイメージが大きい」


「金属があんま使われてねぇのか。というかもっと具体的なのあるだろ! わかりやすいのを言えよ!」


「井戸についてる水を汲むやつ、の一種だ、ったと思う」


「歯切れが悪いなぁ。そんじゃあ釣瓶じゃねぇのかよ」


「もっと広義の名称だよ。ご飯入れとくやつもその一種だって!」


「飯櫃のことか? なんか古めかしい道具ばっかりだな。現代じゃそうお目にかかれないだろ。それで後は?」


「えぇっと・・・あと確か風呂にもあったような・・・」


「おい、それを最初に言ってくれよ。俺はわかったぜ」




「それだ! ありがとう!」




















――桶でオッケー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る