#28

俺は全国を旅するバックパッカー。

有名観光地を巡ると言うよりは、その土地その土地事の良さを肌で感じるのを楽しむタイプだ。


山奥の僻地にある村に来ていた。

どうやら村人たちがこぞって神聖視している場所があるそうだ。

今日は村のまとめ役の方に案内してもらって、そこを見学することになっている。


「あなたが先日見学したいと申し出された御仁じゃな?」


「はい。全国を見てまわる旅をしております。本日はどうぞよろしくお願いします」


「さほど遠くない森の中にあるんじゃ。早速参ろうかの」


けもの道よりは整備されている程度の道を十分程度進むと、小さな木造の建物が見えてきた。


「ここが祭りや式典の時に使われる祠じゃ」


「これは・・・不思議なチカラを感じますね」


「そうじゃろう。これは村人たちにとって宝なのじゃ。先祖代々手入れや補修を繰り返してきた。いわば家族も同然なのじゃよ」

その言葉を皮切りに、周囲が明るくなった気がした。




















――誇らしい祠

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