#26
「そこをなんとか、そこをなんとか、お願いします!」
「う〜む、そう言われてもだなぁ・・・」
恰幅のいい中年は困ったように髭を触った。
「どうかその絵画をお譲りいただきたいのです」
「かなり値が張るものでな。そう簡単に手放す訳にもいかんのだよ。わかってくれたまえ」
「では、宝石類とではどうでしょうか」
「生憎だが貴金属にはそこまで興味がなくてな」
「そ、そんな・・・。もっと価値のあるものなんて、代々受け継がれてきた農園くらいしか・・・。しかしそれを譲る訳にも・・・」
「時に、何を作っておるのだ?」
「はい、果実酒用のブドウを作っております。それなりになの通ったブランドも近頃は確立されてきております」
「な、なに・・・? もしやかの有名な・・・」
「左様でございます」
「むむ。ならばそれを定期的に届けてもらおうか。友誼の印としてな」
「果実酒でよろしいのでしょうか!? ありがとうございます、すぐに手配します」
――ワインに弱いんだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます