#23

緊張で鼓動の音が、耳の奥で弾む。恐らく窓の外ではエンジンが轟音を鳴り響かせているだろう。


揺れるのは機体だけではなく、期待で心も揺れている。


ああ、大地が離れていく。


ついに念願が成就する。思えば長い道程だった。

厳しい試練を乗り越えたものだけが資格を得られる。肉体的にも精神的にも狭き門であった。


それだけに今回は、胸が焦げるように熱くなる。


雲はない。晴れる日が選ばれている。


広大な宇宙へ飛び立つのだ。


思いを馳せる。夢だった。幼い頃からの。


これからまちうける光景は。


私をどんな希望へ導いてくれるのか。




















――宇宙に移動中

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