#18

「待て! 伊勢エビ! この八本の腕で捕らえてくれる!」


「うわ、助けてくれー!」


今日も岩礁では、食うか食われるかのドラマが描かれていた。

タコは知恵を使い、腕を巧みに活かし、岩場の隅へ追い込んでいく。

伊勢エビも必死で逃げ回る。


そこでふと、狭い暗がりへ入った。狭くて暗かろうが、タコには関係ない事だが・・・。


「助けてくれ!」


「任せておけ」


そう言うと、毒々しい色の海のギャングはタコをひと噛みして食いちぎった。


「ありがとう! 助かったよ。今度お礼するね」


「ああ、しっかり頼むぞ」


大好物のタコを食べられる上に、お礼の品まで貰えるとなればこんなに美味しい話はない。


全ては計画通りだった。




















――ウツボの思う壷

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