　小学校のマラソン大会。

　たいした距離を走るわけじゃないけど、女子はやたらにベタベタしている。

「先に行かないでね」

「もちろん！　私たちの絆は永遠よ」

　そんな会話をしている同級生たちを後目にスタートラインに立つ。

　そして数十分後。案の定、行かないでと言っていた女子が先に行ってしまい、残された一人は涙目で走っていた。

　私には関係ない。

　隣を走り抜けようとしたとき、涙目の彼女が派手にすっころんだ。

　仕方なく介抱して擦り傷に絆創膏を貼ってやった。これが運の尽き。

「私たちの絆は永遠よ！」

　その後ずっと彼女は私の進学先就職先、ついには嫁ぎ先の土地にもついてきた。

　絆という言葉の本来の意味を知ったのはずいぶん経ってからだった。

（診断メーカーお題：絆）

創作SSお題作成機

https://shindanmaker.com/861645

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