第23.6話 S〇itch制作作戦①

―月曜日、午後。

「地球ってのは色々面白いものがあっていいわね。」

そう言いながら、かぐやは地球の書類をめくっている。

「そうか、あたしが地球に来た時とはだいぶ変わってるけどな。」

朱雀も最近の生活は仕事が終われば漫画三昧である。

同盟を組んだ翌日だが、2人の関係は良い方に向かっている。

それは誰から見ても分かる状況だった。

「あれ?何これ。」

かぐやは地球用書類を見ながら言う。

「S〇itch?」

朱雀がこの物体の名前に疑問の声を上げ、かぐやが説明を読み始める。

「えーと、S〇itchとは地球人の作り出した最新型娯楽用ハードである。そのハードに様々なカセットを差し込むことによって幅広い娯楽を楽しむことができる…と。」

「意外に面白そうじゃないか。」

これは次の遊び道具に最適だ、と朱雀。

「これとか面白そうね、リ〇グフ〇ットアドベンチャーとか!」

かぐやも興味深々である。

と、そこで朱雀はあることが思いついた。

「かぐや、お前の創造能力でそのS〇itchを作ってみてくれよ。」

かぐやも同じことを考えてたらしく。

「Of course,作らない理由がないわ。」

そう言ってサッと本体を生み出した。

「さすがかぐやだ、伊達に書類管理の所長していない!」

「ふっわたしからすれば残業前よ。(?)」

2人はそう言いながら早速S〇itchに電源をつける。

ポチッ。

……………。

ポチッ。

………………。

ポチポチポチッ。

……………………。

「あーまさか…明、その機械を真っ二つにしてみて。」

「え、いいのか?」

かぐやの唐突な提案に驚きながらも朱雀の手刀で真っ二つにする。

「…やっぱり。」

Switchの中身が文字通りもぬけの殻だった。

ハリボテ…と言ったらわかりやすいだろうか。

「どうしてだ?」

朱雀はS〇itchの異質な状態に疑問の声を上げる。

「多分、わたしの創造能力はわたしがイメージできる範囲内だけのものしか創造できないと思うの。」

「あー…。」

朱雀は理解したようだ。

どういう事かいうと、かぐやのイメージでは、S〇itchの中身までは掴めないので肝心の中身を創造できないのだ。

「どうする?諦めるか?」

朱雀の問いにかぐやは鼻で笑う。

「そんな訳ないでしょ?やってやるわよ、こんくらいの事。」

かくして、2人のS〇itch制作活動が始まった。


23.7話に続く…

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