第23.4話 パクリゲー①

―午後、仕事終わり。

「あーーやっと終わったぁぁぁぁ。」

かぐやは最後の書類に思いっきり印鑑を押し付けて倒れる。

「おっつーかぐ。」

ピコピコピコ。

朱雀は仕事の定時が決まってないので、かぐやが書類作業をしている間もずっとゲームをしていた。

「ちっあんたの仕事は楽そうだからいいわね。」

かぐやは隣でずっと遊んでいたのが気に食わなかったのか、皮肉を漏らす。

ピコピコピコ。

「ま、そういう仕事なんでwww」

「かー!ウザイ!1回わたしの苦しみを味わって欲しい!」

朱雀の安っぽい煽りに思っきりかぐやは引っかかっている。

ピコピコピコ。

「というかさっきから何のゲームやってんのよ。仕事中もうるさいのよ!」

見るからにスマホゲームらしい。

パ〇ドラだろうか。ウ〇娘だろうか。

しかし、想像以上に酷い返しが来た。


「オリマ・カートだ。」


「……は?」

よくある物語だと、有名なものの名前にモザイクを付けたり、名前を少し変えたりするが、この物語だと前者である。

つまり何が言いたいのかというと、これは紛れもなくパクリゲーである。

「明、これは…」

パクリゲーと言おうとする時、口が止まる。

そういえば朱雀は10時間くらいこのゲームをやってる。

そんなゲームをパクリゲーと言ったらどうだろうか。

多分意外に繊細な朱雀は傷つく。

何とか''朱雀を傷つけず''、''間接的にこのゲームを止めさせる''。

((かなり難しいけど、やらねば…!))

「ん?どうした?かぐ。」

「え?あーなんでも無いなんでも無い。」

とりあえず朱雀はマリ…オリマ・カートを続けるらしい。

「明、そのゲームやらせてよ。面白そうだし。」

ある作戦が思いついた。

それは間接的にマ〇カの良さを伝えればいい。

そのためにはこのゲームの悪いところをサラッと言う。

正直これ以外にも手はあるが、1番これが手っ取り早い。

「お、このゲームの魅力が分かるか!普通思いつかないよなぁ、キノコで加速するなんて。」

((それ元ゲーが考えたやつだから!))

「あーでもヒトデミサイルが怖いんだよなぁ。」

((ヒトデミサイル!?ヒトデミサイルってなんだーーー!?))

「へ、へー。じゃ、始めるとします、か。」

そしてゲームを開くがいきなり広告が流れた。

((あー…もういやだ…。))


23.4話に続く…

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